(2024/5/27 12:00)
食品業界は人手不足や衛生管理の徹底、効率化などを背景に自動化ニーズが高まっている。計量機や包装機器、検査機を手がけるイシダ(京都市左京区、石田隆英社長)は、食品生産ラインなどで人が介在する工程の自動化を支援している。
「近年はハードウエアだけでなくデータやソフトウエアを活用した生産現場の無人化・自動化ソリューションも開発している」。津川透乃執行役員は事業戦略について語る。
戦略を象徴するソリューションの一つが、このほど開発した、食品の異物検査などで使うX線検査装置の動作や精度を確認する定期的な校正作業を自動化するソフトだ。
食品工場などでは検査機の性能を担保するため、生産ラインに異物を模したテストピースを流し、それを検査する校正と帳票作成を定期的に行う。これらの作業は稼働中の生産ラインを一時停止し、人の手によって行われるため、生産効率を悪化させ、作業者の負担にもなっていた。
イシダはこれまでの製品開発などで蓄積した異物の特徴などの情報を基に、テストピースをデジタル化。仮想データに置き換えた。同データを装置が読み込むと、校正を自動で行い、校正結果を記録する帳票も自動作成する。ライン停止のダウンタイムを削減するほか、作業者の負担を軽減。帳票のデジタル化で、品質管理のトレーサビリティー(履歴管理)も効率化する。
ハードによる自動化支援も進めている。このほど、食品を包装する縦型ピロー包装機に包装フィルムを自動装填・セットするシステムを開発した。同システムはフィルムの運搬と包装機への装填を担う無人搬送車(AGV)と、フィルムのセット装置で構成。人手で担っていた30キログラム前後のフィルムの装填作業を自動化し、作業者の負担を軽減できる。
津川執行役員は「食品業界はグローバルで自動化ニーズが高まっている」と強調。課題解決に役立つ自動化・無人化ソリューションを提案する考えだ。
(2024/5/27 12:00)
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