工程間搬送をワンストップ提案 ワイエムジー、モデルラインで使い方の理解促す

数値制御（ＮＣ）旋盤や転造盤に加工対象物（ワーク）を供給するオートローダーを開発したことがガントリーローダー事業の礎となった。ワイエムジー（愛知県豊橋市、山本祐一郎社長）は、大量生産を求める自動車メーカーから複数工程を１台の供給機でまかなうことを求められ、ガントリーローダーを開発。他の自動車メーカー、部品メーカーへの供給実績を重ねた。「製品の性能とともに、大手メーカーへの供給実績が同業他社との差別化になっている」と山本社長は話す。

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  本社ショールーム「キャリアパーク」で実機を展示

生産現場は慢性的な人不足もあって自動化の波が押し寄せる。同社のガントリーローダーは工作機械とセットでユーザーに導入される。自動車部品メーカーは代表的なユーザーだが、工作機械メーカーは協業パートナーであるとともにユーザーでもある。その工作機械メーカーも周辺機器に注力。工程間でワークを搬送するガントリーローダーについても無関心ではない。

工作機械メーカーだけでなくシステムインテグレーターや商社も自動搬送機への関心を高める。先行する同社は「屋内で、同一ワークを直線的に運ぶ技術には一日の長がある。ワンストップで提案できることで差別化を図る」（山本社長）。取りそろえた機器は自動倉庫システム、ピッキングシステム、パレタイザーなど。「実際にできあがると施主の想像が追い付かないところが出てくる。そこを事前に埋めるのが専業である我々の仕事」（同）。

操作パネルのボタンの配置、ワークや搬送機の視認性、安全柵の仕様など、デジタルで仮想ラインを作ることができても実際に作業すると違和感が出てくる。同社は２０２３年４月に完成した「ＹＭＧキャリアパーク」にモデルラインを設置。実際のモノの動きを確認してもらう試みを始めた。「『何でもできます』という自動機器メーカーは多いが、パレタイザーや搬送機の具体的な使い方を提案しないことには、お客さまに響かない」（同）。具体的な使い方を理解してもらい、あらためてラインとして提案する手法が実績の上乗せを後押しする。