ニッタ、中小サプライヤーの課題解決支援

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ニッタはサプライヤーの課題解決の支援を通じたサプライチェーン（供給網）の強靱（きょうじん）化を進める。社員がサプライヤーを訪問して経営課題を共有し、改善に向けた助言や提案活動を行う。サプライヤーを含めたニッタグループでＥＳＧ（環境・社会・企業統治）経営を推進し、サプライチェーン全体での持続的な成長につなげる。

同社はベルトやホース・チューブ、空調用フィルターなど幅広い工業用部品を手がける。資材の調達先は協力会社を含めると国内外１３００社におよび、その８割を占めるのが中小企業。サプライチェーン強化には、これら調達先が抱える経営課題の解決が不可欠となっている。

２０２１年にＣＳＲ（企業の社会的責任）に準拠した調達の実現を目指し、「ＣＳＲ調達ガイドライン」を策定した。サプライヤーに対して法令順守、環境配慮などの七つの活動項目を設定し協力を求めた。併せてアンケートも実施。その結果からサプライヤーの取り組み状況や課題を抽出すると、インフラ設備の脱炭素化や人事制度の改善といった点を課題とする企業が少なくなかった。

そこで、サステナビリティ推進部会の社員がサプライヤーを訪問し、現状を分析して改善策を提案する取り組みを始めた。重視するのは「自社の取り組みで得た知見を生かした提案」（石塚隆文執行役員）という。改善効果などのノウハウをサプライヤーと共有し、改善活動へのモチベーションを高める。今後もサプライヤーの課題解決に関わり、安定調達につなげていく。