産業春秋/米国の移民論争と日本の人材難

(2024/7/4 05:00)

先日行われた米大統領選のテレビ討論会。混迷の増す応酬だったが、争点をひも解くと考えさせられるところもあった。その一つが移民・難民問題だ。

米国は世界最大の移民国家。難民受け入れでは前大統領は厳しく制限したが、現大統領は緩和した。現状は、不法入国者が増えるとして国境警備隊が増員されている。治安悪化を懸念する世論が背景にある。

1776年7月4日の米国独立宣言に、移民に触れた部分がある。「英国王は、この地への移住を奨励する法律の通過を拒み」と訴えている。移民の制限で発展を押さえ付けているとの非難だ。

この経緯から建国以来、移民により労働力を確保し続けてきた。飢饉(ききん)や貧困から逃れるためにたどり着いた人にアメリカンドリームを与えた。南北戦争中には兵力確保で受け入れた。アフリカから奴隷として連れてきた歴史もある。

日本にも、全国各地にさまざまな国から来た人の集まりができ、トラブルも起きている。一方、人手不足で技能者を東南アジアなどから呼び寄せようにも、円安もあって賃金水準がネックになることが懸念されている。都合の良い人材だけを低コストで集められないことは、米国が示している。

(2024/7/4 05:00)

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