製造現場の人手不足に自動化で応える 牧野フライス精機、「極小径工具」長時間連続で研削

(2024/8/5 12:00)

工具研削盤を手がける牧野フライス精機(神奈川県愛川町、清水大介社長)は、人手不足が深刻な製造現場で高まる自動化や省人化のニーズを捉える。切削工具を自動測定・補正する画像認識技術や、大ロットの加工対象物(ワーク)を収納し自動で工具研削盤に供給・回収するロボットローダーなどを開発。ユーザーの作業自動化や効率化に力を注ぐ。

  • 極小径に対応した高精密CNC工具研削盤「DB1」

「労働人口の減少で現場のオペレーターが不足しているという声を聞くことが多い。ユーザーの機械稼働率を高め、スピードだけではなく不良率を下げることが必要」と清水社長は話す。

2023年に発売した高精密コンピューター数値制御(CNC)極小径工具研削盤「DB1」は、生産性向上に役立つとの高評価をユーザーから得ている。対象工具径は直径0・03ミリ―4・0ミリメートル。半導体関連などの微細加工分野で高まる極小径工具の研削のニーズに応える。

標準搭載する自動ワーク交換装置は、直径3ミリメートルのワークであれば最大520本収納可能で、長時間の連続加工に対応する。パレットは引き出し式を採用し、ワーク交換作業を容易にした。

正面扉には稼働状況を確認しやすいように大型窓を採用した。機械正面から自動ワーク交換装置の動作確認を行える。X・Y・Zの直線3軸は、指令値と実際に動いた座標値との誤差が小さい「フルクローズドループ制御」によって位置決め精度を高めた。

回転軸のA軸とW軸にはダイレクトドライブモーターを採用。バックラッシュ(ガタ、あそび)のない高精度な割り出しを実現した。各箇所に熱変位対策を施し、長時間連続加工時の安定性も高めた。砥石(といし)軸には5・5キロワットのモーターを採用し、同社従来機に比べて出力を高めた。

清水社長は「切削工具の製造に必要なブランクの研削、工具の研削、工具の測定の三つを全て手がけるメーカーとして、人材不足の解決策を提示していく」と意気込む。

(2024/8/5 12:00)

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