(2024/8/6 12:00)
サタケ(広島県東広島市、松本和久社長)は、2004年に企業内保育室を開設、05年に男性の育児休業を導入するなど積極的に働き方改革に取り組んできた。その根底には「会社を取り巻く全ての人々を幸せにする」という経営方針がある。社員とその家族の幸せの実現を第一に、男女隔てないさまざまな施策を展開。部門によっては女性が営業のけん引役となっている職場もあるという。
企業内保育室「ばん・ぶー」は本社敷地内の事務棟の一角に開設した。10人程度の子どもを保育しており、朝は一緒に通勤、昼休みに様子を見に行くこともでき「社員からは好評を得ている」(宗貞毅顧問)。男性の育児休業も導入は他社に比べ早かった。当初は取りにくい雰囲気があったというが、人事部長が「育児休業取得を理由に部下の評価を下げた場合、下げた上司の評価を人事部が下げる」と部課長を集めた場で宣言。これによって男性が育児休業を取りやすくなり、男性の育児休業取得は当たり前になった。さらに16年には孫が生まれた際に3日間の休業を取れる制度も導入した。
サタケでは社員の副業を約10年前から認めている。週2日だったノー残業デーを原則毎日に拡大したことに伴い、収入が減る社員もいることが背景にあった。就業後にヨガのインストラクターを務める社員などがいるという。
同社の有期雇用も含めた社員は約1200人。うち女性は約20%を占める。数的には男性が多数派だが、営業職として活躍する女性も増えている。その一つが業務用加圧式IH炊飯機「SILK(シルク)」の営業部門だ。営業担当者8人のうち4人が女性で、3人が顧客訪問など営業実務、1人は後方支援を担当する。
女性の営業担当者も男性同様に国内外を飛び回り、売り上げと利益は女性チームが多いという。その一人の広田佳菜子さんは「炊飯する現場で働く人は女性が多く、女性目線で機械の仕様など提案している」と解説する。また、後方支援を担当する女性は出産を機にいったん退職したものの、自宅勤務を条件に復帰を果たした。
業務用IH炊飯機を国内で生産するのは同社のみ。炊飯温度を微妙に調整でき、炊飯から一定の時間が経過してもコメのおいしさを保てるほか、炊飯工程での脱炭素につながるなどの理由で導入先が広がっている。女性チームには英語や中国に堪能な社員も在籍し、今後は東南アジアなど海外営業を強化したいと意気盛んだ。
(2024/8/6 12:00)
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