産業春秋/円高進行が止まらない

(2024/8/6 05:00)

5日の東京外国為替市場の円相場は、1ドル=141円台に突入するなど、円高が進行した。日銀の6月の企業短期経済観測調査(短観)によると、全規模・全産業の2024年度の想定為替レートは同144円台。為替差損を迫られる企業も出てきそうだ。

円高進行は、米国景気の先行き不安による。米国の製造業の業況や雇用情勢の悪化を示す経済指標の発表が相次ぎ、米連邦準備制度理事会(FRB)による大幅な利下げが市場で想定され始めている。

米FRBは9、10、12月の年3回利下げに踏み切り、9月と10月は通常の2倍に当たる0・5%の利下げ幅を予測する向きもある。足元の為替相場は年初の1ドル=140円台よりなお円安だが、今後の動向は注視する必要がある。

円高の進行は、輸入物価を引き下げ、実質賃金が増える効果を期待できる。日銀も円安に伴う物価高をリスクと捉え、さらなる利上げも視野に入れている。

ただ、企業の想定を上回る急な円高進行は、為替差損を発生させる可能性があり、堅調に推移している企業業績の足を引っ張りかねない。過度な円安の是正は歓迎だが、為替相場の急激な変化が経済を混乱させ、業況に影響しないか心配だ。

(2024/8/6 05:00)

総合1のニュース一覧

おすすめコンテンツ

「現場のプロ」×「DXリーダー」を育てる 決定版 学び直しのカイゼン全書

「現場のプロ」×「DXリーダー」を育てる 決定版 学び直しのカイゼン全書

2025年度版 技術士第二次試験「建設部門」<必須科目>論文対策キーワード

2025年度版 技術士第二次試験「建設部門」<必須科目>論文対策キーワード

技術士第二次試験「総合技術監理部門」択一式問題150選&論文試験対策 第3版

技術士第二次試験「総合技術監理部門」択一式問題150選&論文試験対策 第3版

GD&T(幾何公差設計法)活用術

GD&T(幾何公差設計法)活用術

NCプログラムの基礎〜マシニングセンタ編 上巻

NCプログラムの基礎〜マシニングセンタ編 上巻

金属加工シリーズ 研削加工の基礎 上巻

金属加工シリーズ 研削加工の基礎 上巻

Journagram→ Journagramとは

ご存知ですか?記事のご利用について

カレンダーから探す

閲覧ランキング
  • 今日
  • 今週

ソーシャルメディア

電子版からのお知らせ

↓もっと見る

日刊工業新聞社トピックス

セミナースケジュール

イベントスケジュール

もっと見る

PR

おすすめの本・雑誌・DVD

ニュースイッチ

企業リリース Powered by PR TIMES

大規模自然災害時の臨時ID発行はこちら

日刊工業新聞社関連サイト・サービス

マイクリップ機能は会員限定サービスです。

有料購読会員は最大300件の記事を保存することができます。

ログイン