(2024/8/19 12:00)
帝人の子会社で再生医療事業を手がけるジャパン・ティッシュエンジニアリング(J―TEC)は、他人の細胞を使った表皮細胞シートを乾燥させた「乾燥同種培養表皮」について、大量生産を見据えた生産体制を構築している。同製品は原料が他家細胞であるため、製品を大量かつ計画的に生産できることが特徴だ。機械化・自動化工程を増やしたことで、生産能力を患者本人の細胞を使う自家培養表皮と比べて10倍以上の拡大を目指す。
乾燥同種培養表皮はやけどなどの創傷に対して早期の治癒を目的として使用する。製造販売承認申請に向けて準備を進めており、2025年度の発売を目指している。培養品を乾燥させることで室温・長期保存が可能となった。自身の細胞を使う再生医療と異なり事前に製造・保存しておき、必要な時に即時に使用できる。そのため凍結させた細胞を保存するセルバンクを使い、大量生産を見据えた製造構築を進めている。一連の製造工程のうち、培養・剥離、洗浄工程の機械化を進める。
剥離工程では連続シート剥離装置を開発した。同装置は細胞シートが入っているプレートを投入するとベルトコンベヤー上で細胞シートと不織布のキャリアを接触させ、プレートからキャリアに転写するようにして細胞シートを剥離する。細胞シートは事前に酵素処理してプレートから剥がれやすい状態にしている。人手作業は対象物(ワーク)の投入と回収だけで済む。
現在生産している自家培養製品はフラスコ内にある細胞シートをピンセットを使って手作業で剥がしていた。現状の剥離方法と異なるため試作機を使い精度を高めたり、自動化適性を持つプレートを開発したりした。また無菌に近い作業環境を維持するため、装置内部品を洗浄できるよう容易に分解・組み立てができる設計にした。
小笠原隆広製品開発部部長は「これまで剥離工程は熟練者が行っていた。装置の投入により作業量が10分の1以下となる」と話す。
(2024/8/19 12:00)
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