和ロボ、製品把持・配置 汎用品で安価

(2024/8/19 12:00)

  • ロボット2台で構成するパイプ加工工程自動化システム

ランダムに流れてくる製品を把持し、パレットに配置するピック・アンド・プレース(P&P)と呼ばれる作業は、いまだ人手で行われることが多い。中でも、製品形状が一定でない少量多品種の生産ラインは自動化が難しいと言われる。和ロボ(名古屋市東区、坂本歳幸社長)は、P&P工程の自動化を支援するピックアップロボット用高精度認識システムを開発。汎用品の利用などで導入、運用のコストを抑え、食品業界や中小製造業に導入を提案している。

同システムは「ユーザー自身で容易にロボットを設置、設定できること」をコンセプトに開発。使いやすさを徹底追求し、ロボット導入のハードルを下げることを目指した。

使いやすさを実現するために駆使したツールの一つが立体的に撮影し、距離測定ができるステレオカメラだ。ステレオカメラを複数配置し、製品形状とともに製品とロボットアームの相対的な位置関係を正確に測定。その測定結果をロボットアームにフィードバックする制御システムに仕上げた。機能実装はソフトウエアで提供する。

パソコン上の複雑な設定操作を不要とし「実際に製品を動かすだけでロボット動作の設定ができる」(坂本社長)と自信を見せる。測定精度の検証では、愛知県立大学次世代ロボット研究所の村上和人教授の協力を得た。3次元計測装置を用い、ステレオカメラによる位置検出の結果と比較したところ、誤差は数ミリメートルと実用に影響がないことを確認した。

開発実績として、ロボット2台で構成するパイプ加工工程自動化システムがある。この実績を弾みに、2024年中には汎用システムとして投入し、幅広く普及を図っていく。ソフトとともにロボット、汎用ステレオカメラ、ハンドなど一式で450万円程度と安価に設定する考えだ。

システムの販売にとどまらず、今後はユーザーサポートも手がけたいという。ロボットの動作状態を遠隔でモニターすることによる予防保全など、ユーザーの要望に応えるサービスの提供を通じて販路開拓を進めていく。

(2024/8/19 12:00)

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