ベルーナ、物流施設にAGV導入 棚が自由移動 省人化・生産性向上

(2024/9/2 12:00)

ベルーナは物流施設「吉見ロジスティクスセンター」(埼玉県吉見町)を2023年8月に増築。133台の無人搬送車(AGV)を導入した。ピッキング作業者がいる場所までAGVが棚ごと搬送するグッズ・ツー・パーソン(GTP)システムを構築。これにより主力の通信販売事業で取り扱う衣料品などの搬送作業を大幅に効率化した。本格稼働から1年弱でピッキング効率は従来の1・5倍。既存棟と合わせたセンター全体で約15%の省力化を実現した。

  • 30個のオリコンを入れた棚を運ぶAGV

出荷ランクに応じて保管場所を自動判別。Aランク商品は既存棟で扱い、特に人気の高い戦略商品(Sランク品)は増築した新棟のAGVとGTPシステムを使ってピッキングや仕分け、出荷を行う。「省人化とともに、既存出荷システムをそのまま活用しながら連動することで全体の生産性を向上させるのが狙い」と山内雅人執行役員ディストリビューション本部長は説明する。

吉見のセンターで扱う商品は、入庫から出庫まで全て折り畳みコンテナ(オリコン)に入れて管理する。AGVが運ぶ棚には30個のオリコンを収納できる。2000台の棚に約96万点の商品が保管可能。GTPシステムに運ばれた棚からピッキング作業者が商品を取り出して、顧客ごとのスペースに入れる。商品点数がすべてそろうと明細書が自動で印刷され、確認後に梱包して出荷する仕組みになっている。

夜間は翌日の入庫状況を計算して効率的にピッキングしやすいように棚のオリコンを移動させて整理する。さらに季節などの時期によって戦略商品から外れた商品は、新棟から既存棟に移動させる。これら全てを自動で行っている。

吉見ロジスティクスセンターの富田邦義課長は「新棟にAGVやGTPシステムを導入したことで、既存棟の商品と新棟の戦略商品を一緒に購入するお客さまのピッキングも効率化できた」と強調。AGVとGTP導入が吉見ロジスティクスセンター全体の省人化にもつながっている。

(2024/9/2 12:00)

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