(2024/9/11 05:00)
2028年の第49回技能五輪国際大会が愛知県で開催されることが決まった。日本での開催は21年ぶり4回目。モノづくり産業の集積地である愛知から、日本の高い技能・技術力を世界に発信したい。世界の青年技能者の熱戦を多くの子どもや若者に見てもらい、モノづくりへの関心を高める機会にもしたい。
世界の若者(原則22歳以下)が技能を競う国際大会は2年に1度開かれる。参加国の職業訓練を振興し、青年技能者の国際交流を図るのが目的だ。24年はフランス、26年の第48回大会は中国で開かれる。28年の第49回大会の開催国は、同大会を運営するワールドスキルズ・インターナショナル(WSI)が9日に開いた総会で、加盟国・地域の投票で愛知県に決まった。
日本での開催は1970年の東京、85年の大阪、07年の静岡に続いて4回目。愛知県は技能五輪全国大会(国内大会)の開催実績、メダリスト数とも日本一という。久しぶりの日本開催により、日本の若者の技能向上や、モノづくりに携わる人材の育成が促されると期待したい。
厚生労働省と愛知県は連携し、招致活動はもとより、シンポジウムやモノづくり体験などで国内の機運醸成にも取り組んできた。今回の招致決定の朗報に至ったと活動を評価したい。
愛知大会は参加65カ国・地域以上、選手約1700人を想定する。「『技能』がつなぐ、持続可能な未来」をテーマに、持続可能な開発目標(SDGs)に貢献する大会モデルを目指すという。環境負荷低減に努めるほか、徒歩圏内に選手用ホテルを確保するなどコンパクトな大会とし、女性や障がい者の技能を紹介するイベントなども開く計画だ。多様な人材への投資の重要性を呼びかけ、人材育成が促される効果も期待される。
子どもや若者が世界レベルの技能を間近で体感する絶好の機会となる。モノづくりへの関心を高めてもらい、産業全体の活力や競争力を引き上げたい。
第47回国際大会が10日、フランスで開幕した。4年後の愛知大会に弾みを付ける上でも、日本選手の活躍には期待したい。
(2024/9/11 05:00)
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