(2024/9/17 12:00)
吉増製作所(東京都あきる野市、吉増弾司社長)は、航空機部品のプレス・板金加工、溶接、熱処理、塗装の各工程を備え、一貫生産できるのが強み。同社で溶接部門の立ち上げに関わり、同部門をけん引してきた製造部製造二課溶接グループ技師の佐藤悟氏に技術習得のポイントなどを聞いた。
―入社後すぐに溶接に関わりました。
「入社4年目の1980年代半ば、当時社内で一番難しかった3槽式超音波洗浄機の製作を任せてもらえるようになった。らせん状の冷却管をつなぐ溶接に苦労しつつ完成させた。溶接の奥深さ、難しさを実感したが、その時の達成感は今でも忘れられない。その後、当社が航空機分野に本格参入。航空機関連メーカーに出向き、技術を磨いた。当時の社長から『溶接なら吉増製作所の佐藤といわれるように』と期待され、懸命に努力した」
―航空機部品の溶接の特徴は。
「航空機分野の溶接は高度な技術が求められる。まずは認定試験に合格することが必須。外観やX線、顕微鏡を用いた検査で、基準を満たさなければならない。加えてチタン、ニッケル、コバルトといった材料ごとの認定がある。さらに、2年ごとに継続試験があり、技術を維持することは大変だ」
―印象に残っている仕事は。
「航空機エンジンのチタン製部品で、大気に触れてはならない溶接条件だった。アルゴンガスを満たすための大型チャンバーを自作、苦労して溶接した。また、出向先で欠陥を出さず、連続して合格品を作ったことも印象深い。社内で仕上げも担当していた点が役立った」
―技術習得で大切にしてきたことは。
「完璧な作業に徹し、浸透探傷試験で欠陥を出さないことを心がけた。後工程に喜ばれる仕事が大事で、上手な人のまねをすることが上達のための鉄則だ。自ら進んで困難な仕事に挑戦し、人よりも速くこなすという気持ちを持つことが大切。そうした気持ちを持たないと進歩しない。技術は一つひとつの仕事の積み重ねで身に付く」
(2024/9/17 12:00)
総合1のニュース一覧
- 日銀、金利据え置き濃厚 19日から金融政策決定会合(24/09/17)
- 大阪・関西万博に「火星の石」展示 初の一般公開(24/09/17)
- 「NISMO(ニスモ)」ブランド、誕生40周年 日産、特別展示など実施(24/09/17)
- ニチリン、セミナーで異文化理解(24/09/17)
- インタビュー/吉増製作所・佐藤悟氏 まねして上達、速さも意識(24/09/17)
- 新しい景色が見える 芝浦工業大学研究推進部部長・白石美知子氏に聞く(24/09/17)
- ブリヂストン、中国で高付加価値タイヤ増産 新エネ車に照準(24/09/17)
- 技能五輪国際大会が閉幕 「金」5個獲得、日本5位(24/09/17)
- 変わる潮目2024 企業トップに聞く(12)セコム社長・吉田保幸氏(24/09/17)
- 産業春秋/日銀の利上げ時期は?(24/09/17)