大阪・関西万博に「火星の石」展示 初の一般公開

(2024/9/17 17:00)

00年に日本の南極観測隊が発見

  • 公開される火星隕石について説明する 極地研 南極隕石ラボラトリー 地圏研究グループ 助教・博士(理学)の今栄直也 氏

 政府は17日、2025年大阪・関西万博に火星の石を展示すると発表した。南極で00年に日本の南極観測隊が発見した世界最大級の火星由来の隕石で、国立極地研究所が保管している。同隕石を一般公開するのは万博が初めて。

 火星に水があった証拠を含む隕石であり、命に深く関わる展示となる。宇宙分野で月面開発が注目されているが、月を越えて火星を目指す人類の方向性を示すきっかけになると期待されている。

 公開する火星の石は南極の昭和基地から南西に約350キロメートルの位置にあるヤマト山脈で発見された。同石の発見に携わった極地研の今榮直也助教は「多くの隕石が見つかる領域だが、南極で火星由来の隕石が見つかったのは同石が初めて」と説明。特に粘土質を含んでいることからもろくて壊れやすいが火星に水があった証拠となる試料で、隕石の中でも科学的価値が高い。そのため極地研でも「ご神体」と言われており、温度や湿度が管理された倉庫で保存し、一般公開はしていなかった。

 万博での公開については経済産業省から打診があった。ただ学術的価値が高い上に壊れやすいことから移動のリスクもあり、保存条件が厳しい。経産省や万博協会が検討の上でそれらをクリアできると判断し、出展することとなったという。

(2024/9/17 17:00)

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