社説/「技能五輪全国大会」開幕 モノづくり担う若者の奮闘期待

(2024/11/22 05:00)

第62回技能五輪全国大会(主催=厚生労働省、中央職業能力開発協会、愛知県)が22日から愛知県国際展示場(愛知県常滑市)など13会場で開かれる。会期は25日まで。原則23歳以下の若手技能者976人が41職種で「技」の日本一を競う。選手の活躍に期待すると同時に、多くの子どもや若者が観戦し、モノづくりの魅力を身近に感じてほしい。愛知県で2028年に開かれる技能五輪国際大会に向けた機運も醸成していきたい。

技能五輪全国大会は毎年開かれ、国内の若手技能者の技を競うことで、技能水準の向上を目指している。併せて、技能に身近に触れる機会を提供することで、モノづくりを支える技能の重要性をアピールし、関連人材の確保につなげる狙いもある。

ITや人工知能(AI)が進化しても、技能の重要度が変わることはない。だが少子化の進行により、技能者の減少が懸念される。次代を担う若手技能者の熱戦を会場で、あるいは専用ウエブサイトのライブ配信で多くの若者が観戦してほしい。

熱戦を繰り広げる41職種は、「機械組立て」「メカトロニクス」「電子機器組立て」「移動式ロボット」などのほか、「美容」「造園」「日本料理」「フラワー装飾」など、多岐にわたる。例えば「洋菓子製造」は構成や色彩、味覚に加え、衛生面や作業の安全性なども採点対象になる。中央職業能力開発協会のホームページで、事前に採点基準を確認しておけば、より深く観戦できるかもしれない。

第44回全国アビリンピック(全国障害者技能競技大会)も22―24日の日程で愛知県国際展示場で開かれる。障がい者の技能への理解と認識を深めたい。大会を通じて能力向上をさらに推進し、貴重な戦力として雇用が促進されることが期待される。

28年の技能五輪国際大会が愛知県で開催されることが決まった。日本開催は21年ぶり4回目。約60カ国・地域の若手技能者が集う大会で、愛知から日本の優れた技能を世界に発信する好機となる。日本の若者の技能向上やモノづくり人材の育成がさらに促されると期待したい。

(2024/11/22 05:00)

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