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[ 化学・金属・繊維 ]
(2018/1/30 05:00)
【純水・超純水製造装置 ピュアライト/ピューリックαシリーズ】
半導体・液晶製造に不可欠な超純水を供給するプラントメーカーとして知られるオルガノ。足元では、半導体の国産化政策を推し進める中国の旺盛なプラント需要に追われているが、シリコンサイクルの影響を受けない標準型機器の拡充を経営課題にしてきた。“お家芸”といえる純水・超純水製造で狙いを定めたのがバイオサイエンスなどの研究・分析施設。いわゆるラボラトリー分野だ。
同社が研究・分析施設向けに2017年6月、満を持して発売したのが卓上型の純水・超純水製造装置「PR/FPα(アルファ)シリーズ」。専用ディスペンサーで1滴から純粋・超純水を供給できる。「ラボ分野ではバイオサイエンス関連をはじめ、新たな市場とニーズが立ち上がりつつあり、水処理装置にも高度で多様な機能が求められるようになっている」(鈴木康弘機能商品事業部機器商品部企画チーム長)という。
従来、オルガノの標準型水処理装置は環境分析用途が中心。研究機関などでは長年にわたって蒸留器が使われてきたほか、水道水を処理する小型純水・超純水装置も歴史的な背景から海外メーカーが圧倒的な強さを誇っていた。だが、バイオサイエンスの台頭とともに需要が蒸留器から水処理装置へと徐々にシフトし、同時にメンテナンス性などの点で国産品に対する期待が高まってきた。鈴木チーム長は「卓上型純水・超純水製造装置の構想は5年ぐらい前からあった。いよいよ機が熟し、具体的に製品化プロジェクトが動きだしたのは16年春ごろ」と開発を振り返る。
PR/FPαシリーズの販売目標は純水、超純水装置を合わせて1年目の17年度が60台で20年度に350台。実際には当初から想定を上回る反響があり、「すでに17年度は60台達成が確実で、100台をうかがう勢い」(同)となった。海外からの引き合いも寄せられ、東南アジア市場への展開を計画する。
(編集委員・青柳一弘)
【製品プロフィル】
卓上型の純水・超純水装置ながら水中に含まれる全有機炭素(TOC)を1―3ppb(ppbは10億分の1)まで低減する。純水装置は1時間当たり処理流量15リットルで用途に応じ、超純水装置に循環させて高純度化する。専用ディスペンサーは1滴分の50マイクロリットル(マイクロは100万分の1)から1分当たり2リットルまで定量を吐出。
(2018/1/30 05:00)
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