地域に密着、寄り添い続けた30年 大阪中小企業投資育成・九州支社開設30周年【PR】

(2022/10/24 15:00)

  • 挨拶する小林社長

 大阪中小企業投資育成は九州支社(福岡市中央区)の開設から30周年を迎え、福岡市内で記念式典を開いた。小林利典社長は式典で、「皆さまの温かいご支援・ご協力により、開設当時は41社だった投資先企業が現在190社、投資残高も13億円から63億円まで増加した」と挨拶。西日本における九州の存在感の大きさに言及し、「今後も地域密着を掲げ、投資先の皆様に寄り添い、共に成長し続けたい」と力を込めた。

 大阪投資育成は長期安定株主として中小企業経営者のパートナーの役割を果たしてきた。九州支社の投資先企業は九州のほか、沖縄県や山口県と広範囲に及ぶ。「感謝の集い」と銘打った式典には投資先企業、関係機関、さらに支社の発展を担ってきた“支社OB”ら、合わせて約200人が出席。支社30年の節目を共に祝い、旧交を温めた。

全社展開につながる取り組みに挑戦

 「九州支社はチャレンジの場」、4月1日に就任した濱田志郎九州支社長はこう言い切る。大阪投資育成の九州支社は支社長以下10人の所帯だ。一体感のある組織運営で、全社的なサービスにつながる試みに次々取り組んできた歴史がある。

  • 記念式典では濱田支社長が九州支社に在籍するメンバーを紹介した

 九州支社は1992年、九州事務所としてスタートした。当初の人員は3人。本社で対応していた投資先企業41社を引き継ぎ、96年には山口県も担当地域に加えた。地域に密着したスピーディーな対応で投資先企業を広げ、2006年、支社に改称した。

 現在、九州支社の投資先企業は190社。8人の営業担当者が山口県から沖縄県まで文字通り“飛び回って”投資先企業をサポートすると共に、新規投資先を開拓している。濱田支社長は「担当地域には魅力的な経営者が多く、製品・サービスの独自性も強い」と解説する。

投資先企業経営者の交流が活発

 20年に支社を移転した際に設けた「年輪ルーム」では経営者有志の勉強会がたびたび開かれる。人材育成、採用、ブランディングなどさまざまなテーマで、経営者が本音をぶつけ合う。コロナ禍の中、情報交換の場を求める声は強い。

 最近スタートした40-50代の若手社長と20-30代の後継者候補の意見交換会も軌道に乗った。「社長になって何をしてきたか」「先代社長と意見が合わないときは」など、地域を代表する企業経営者の赤裸々な話が聞けると人気を集める。これをきっかけに60-70代の先輩経営者と若手経営者の意見交換会も始まった。本社では仰々しくなりがちなイベントを身軽に展開できるのが、支社の強みだ。

投資先企業に新鮮な情報を提供

  • 挑戦し続けると濱田支社長

 さらにインターンシップ(就業体験)を受け入れられる投資先企業を紹介する九州産業大学との連携や、高等専門学校生の採用支援会社とのタイアップなど、投資先企業の人材確保につながる取り組みも活発に行う。九州経済産業局の「J―スタートアップ KYUSYU」には支社としてサポーターに加わり、新たなシーズを投資先企業にマッチングして事業の発展を促すなど支援は全方位に広がる。地方は「投資育成」の制度がまだまだ浸透しておらず、新規の企業訪問は断られることもある。このため、様々な仕掛けでファンづくりに力を入れる。

 「地域の企業、専門家ネットワーク、本社のサポートで“今”がある」と、濱田支社長。近年、九州支社は職員を増やし、対応力を強化している。「今後もチャレンジを続け、(社内外の)情報の発信源であり続ける」と意気込む。

先輩経営者からの学び、経営の原点 投資先企業3社座談会

 九州支社の歴史は、投資先企業と歩んだ30年でもある。投資先企業の経営者でつくる有志の集まり「九州支社主催の意見交換会」に参加し、日頃から親交のある3人に、九州支社や意見交換会の魅力を聞いた。

<座談会に参加いただいた方(敬称略)>

しらさぎホールディングス株式会社 沼田幸広社長

大陽製粉株式会社 鹿野晋社長

かねやすホールディングス株式会社 安光徹雄社長

  • 左から沼田社長、鹿野社長、安光社長

―九州支社からの支援内容について教えてください。

沼田

「当社は(九州支社ができる前の)1983年に初めて投資いただきました。16年の熊本地震で前の本社が半壊になり、立て替えを余儀なくされた際には、資金調達面でご支援いただきました」

鹿野

「創業当初は福岡・筑後で麦の製粉や畜産などをやっていました。小麦は8割程度が海外産のため、福岡の港近くに工場を建てる必要があり、この際に投資していただきました。また当社は麦関連の商売をしている人たちが集まり作った会社で、多いときには株主が130人程いました。少数株主はリスクになり得るため、投資育成に株式を持っていただき、現在進行形で集約しているところです」

―日頃から「意見交換会」で親交を深められているとか。

沼田

「意見交換会では若い経営者のために少し上の世代の人に講演していただく機会をつくってもらいました。他社のプレゼンでいいなと思うことがあれば自分の会社にもすぐに取り入れています」

鹿野

「(意見交換会は)質疑応答が活発で、1時間ぐらい続くこともあります。聞くだけでなく、自分も何かしておかないと、この場にふさわしくない。こんな思いから、もがきながらも、新たな取り組みを見せられるようにしています」

安光

「普段お話ができない異業種の方たちと業界の話ができるのが(意見交換会の)魅力です。年齢が違う若い経営者とお話することが普段ないので、こういう機会はとても貴重です」

―経営者に共通の悩みは。

安光

「人を育てることです。人は思ったように育たないし、(育成の)成果が出るのは10年経ってから。それまでに辞めてしまう人もいて難しい。ただ、成長し、売上や利益となって成果が出るとうれしいですね」

鹿野

「先輩経営者が人づくりと徹底的に向き合われている姿勢を見て、自分もやらなければならないと、改めて思いました。それが私にとって、とても大きな財産であり、今の経営の原点になっています」

本社設立60周年に向けて

 2023年は大阪投資育成の設立から60年の節目となる。営業地域は福井から関西、中四国、九州、沖縄と広く、投資先企業は約1,200社に及ぶ。各社が投資を受ける目的は経営承継や経営権の安定化、対外信用力の向上など様々だ。長期安定株主として、中小企業の経営を支える大阪投資育成の今後に注目したい。

〒530-6128 大阪市北区中之島3-3-23(中之島ダイビル28階)

TEL:06-6459-1700 FAX:06-6459-1703

https://www.sbic-wj.co.jp/

(2022/10/24 15:00)

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