(2021/8/23 10:00)
「半導体冷熱素子モジュール」「パワー半導体用基板」など注目の製品紹介
世の中の役に立ち続ける製品を―。フェローテックホールディングスの強い意志は揺るがない。ひとつの市場に終始せず、パソコンの大量記憶媒体からヘアドライヤーまで、見えないところであらゆる形で生活に役立っている。
同社は2022年3月期に連結売上高1050億円を目指している。2021年3月期実績は913億円と前年比11%増の増収、営業利益も96億円と前年比60%増と堅調に増益基調だ。中でも、半導体製造プロセスに使用される石英製品、セラミックス製品、シリコンパーツ、炭化ケイ素シリコンカーバイド(CVD‐SiC)製品といったマテリアル製品はスマートフォン、携帯端末やデータセンターで使用するCPUなどのロジックIC(論理素子)やDRAM/3次元NAND型フラッシュメモリなどのメモリIC(記憶素子)の需要が増加したことを受けて、新規設備投資の拡大やデバイスメーカー各社の設備稼働率が高水準のため堅調に推移している。同社は日本国内、および中国複数拠点で次々と半導体関連工場を稼働し、現在、アジア市場を中心に世界で存在感をさらに増している。
同社のスタンスは半導体業界の好況は商機と捉えているものの、同市場のみに終始しない双璧をなす事業展開に注力している。バランス良く両輪駆動させるためには、景気変動の影響を受けず、同事業への依存度が低い事業がカギを握る。
白羽の矢が立つのは、同社の電子デバイス事業。中でも同事業で展開している「半導体冷熱素子モジュール」はトップシェア36%を誇り、この製品は、その対称物面を瞬時に高温にしたり、低温にしたりすることができる。電流のプラスとマイナスの切り替えにより、幅広い温度調節を可能としている仕組みだ。この部品特性はさまざまな分野で応用可能だ。1980年の設立当初から開発に取り組んでおり、日々切磋琢磨している。小型軽量であることも応用可能性を高めている要因のひとつだ。
同製品において、自動車産業分野では快適な車内環境を提供するものとして、長年高級車の温調シートシステムに使用されている。また、今後はカップホルダーの温調、およびADAS/自動運転のCMOSセンサーの放熱など、用途は拡大する見通しだ。
また、美顔器やワインセラー、オーディオといった個人の好みも影響する日用品から、エアコン、空気清浄機、ホテルの客室用冷蔵庫といった必需品などの家電民生分野でもアプリケーションが常に増加している。近年の気候温暖化や猛暑対策向けの空調服やネッククーラーなどにも需要が大きく増えている。更に、半導体分野では、半導体製造における精密温調製品にも用途を見出しており、その他、レーザーの温調や発電といったエレクトロニクス分野や産業分野などにもその活躍はめざましい。
医療分野にも裾野は広がっている。DNA(遺伝子)検査や治療など遺伝子を培養するために用いられるDNA(遺伝子)増幅装置の温度サイクル制御に使用されている。この装置はコロナウィルスなどのウィルス感染の感染判定や早期がん発見の為の遺伝子検査等で使用されており、予防医療の場面などでもこの部品が主要基幹部品として活用されている。
通信機器分野も見逃せない。高速・大容量、多数端末接続が可能な5G(第五世代移動通信システム)導入により、通信基地局や中継局の入れ替え需要が発生している。光の波長の安定を目的とした温度コントロールや装置自体の放熱対策として同社のマイクロモジュールやサブアッセンブリ品などが活躍する兆しを見せている。同製品の製造技術を応用した放熱用絶縁基板「パワー半導体用基板」も注目だ。電気自動車の冷却機構と電車のインバーター装置の小型軽量化、送電システムや工場生産設備の電力損失の低減などに寄与するものとして、市場成長率は年間10-20%を見込む。
時代が進むにつれ、生活必需品となっていく製品やインフラ設備を支えている同製品。今後、ますます市場で存在感を増すことは必至だ。半導体関連装置事業とともに、サービス内容・質を高度化させていきながら、現在から未来につながる生活を徹底的に骨太の両輪で支えていく。
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サーモモジュールに関するお問い合わせは下記((株)フェローテックマテリアルテクノロジーズ)へ
https://ft-mt.co.jp/product/thermo/
パワー半導体基板に関するお問い合わせは下記((株)フェローテックマテリアルテクノロジーズ)へ
https://ft-mt.co.jp/product/electronic_device/power_semiconductor/
(株)フェローテックホールディングスのWEBサイトはこちら
(2021/8/23 10:00)