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商業施設やオフィス等から出る混合廃プラを良質な石油成分に変換できることを実証

(2022/4/13)

カテゴリ:商品サービス

リリース発行企業:白井グループ株式会社

商業施設やオフィス等から出る混合廃プラを良質な石油成分に変換できることを実証

~ケミカルリサイクルによる脱炭素型・資源循環~


白井グループ株式会社*1(本社所在地:東京都足立区 代表取締役:白井 徹)は、株式会社ダイナックス都市環境研究所(本社所在地:東京都港区 代表取締役所長:佐久間信一)*2が採択された東京都モデル事業*3において、従来焼却されていた都内中間処理施設の混合廃プラスチックを良質な石油成分に変換できることを実証しました。

【背景】東京都は、2030年までに廃プラスチックを現在主流の焼却型から非焼却型に変換することをめざしています。今後の代表的な非焼却リサイクルにはマテリアルリサイクルとケミカルリサイクルがあります。白井グループ株式会社は、廃プラスチックの発生段階から収運・処理・再生・利用にいたる資源循環全体を見渡したソリューションを提供すべく、従来の焼却やRPFだけでなくケミカル・マテリアルを含めた図1の資源循環への貢献をめざしています。


                図1 廃プラスチック資源循環の全体像

この中で、ケミカルリサイクルにはガス化・モノマー化・油化方式がありますが、実用が見込める方式は限られてくると思われます。特に、各方式では受入品質に制約がある場合が多く、都内の代表的な廃プラに対して、どの方式が有望かは明らかにされていません。

そこで、都内の代表的な中間処理である品川運輸株式会社*4の混合廃プラスチック(従来は焼却)を原料にして、株式会社オガワエコノス*5の技術協力のもとケミカルリサイクル向けに品質を調整し、環境エネルギー株式会社*6の触媒熱分解方式により、廃プラスチックを油化する実証試験を行いました。

【実証結果】
品川運輸株式会社は都内の商業施設やオフィス等から廃プラスチックを受け入れ、手選別により異物や危険物(金属、段ボール、電池等)を除去し、破砕・磁力選別等により品質を高めています。これを原料にして、ケミカルリサイクルの実証実験行なうための品質把握等基礎データを把握すると共に、実験精度を高めるために均質化・細粒化してケミカル実験用サンプルを作製しました。本サンプルを環境エネルギー株式会社の触媒熱分解方式(HiCOP(ハイコップ)方式*7)の実験装置により、プラスチックの元々の原料である生成油(ナフサ、軽油分等)に変換しました。結果を下図2に示します。


                 図2 都内の廃プラスチックの油化実証

製造した生成油は、さらさらとして良質な油であり、石油由来のバージンプラスチックと同等品質を製造できる原料になりました。

これらを、社会システムとして実現していくには、図1に示したような、資源循環最適調整施設(ソーティングセンター機能)が必要と考えており、その基本プロセスの設計も実施しました。本施設は、産業廃棄物、一般廃棄物を対象にした幅広い廃棄物発生源に対応する設計であり、「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律」に対応していく際の参考になるものと考えています。

【実証の意義】
今回の実験は極めて限られたサンプルと回数による結果ですが、都内で実際に発生している廃プラスチックを油化できるという、一つの可能性を示したものと捉えています。東京都で焼却処理されている量は年間約70万トンとされ、仮に半数の35万トンを対象とすることができた場合、約15万トン(白井グループ株式会社試算)を油に戻すことが出来ると推定されます。現在焼却されている廃プラスチックが、むしろ小規模の「都市油田」になる可能性を秘めています。

【今後の課題と展望】
ケミカルリサイクル方式はCO2排出量の削減には貢献しますが、一般的には生産コストが高いとされています。白井グループ株式会社では、静脈物流から処理・再生・有効利用までを含めた資源循環全体の経済性を高める必要があると考えており、製造業、小売業も含めた様々な関係者と連携していきます。

そのための具体的施策は、(1)廃プラスチックを廃棄段階からデジタル化して受付、(2)AI配車システムで低炭素型回収を実現、(3)RFIDシステムで廃棄物・資源を非接触一括管理、(4)ブロックチェーン登録・トレースによる説明責任のレベルアップです。排出事業者にはリサイクル先を知りたいという要望があり、他方、生産物利用者からは原料の由来を知りたいという要望があります。それぞれに対してリサイクル過程を「見える化」することで、循環型社会の課題解決に貢献したいと考えています。


*1:白井グループ株式会社:「都市の静脈インフラを再構築する」ことをミッションとして掲げ、収集運搬から資源循環までを視野に入れたサーキュラーエコノミー事業を推進しています。
*2:ダイナックス都市環境研究所:自治体をはじめ廃棄物処理・リサイクル、まちづくりに関す
るコンサルティング事業を行っています。
*3:東京都モデル事業:「革新的IoT型DX管理による資源循環の見える化促進事業」(採択:2021年8月23日)
*4:品川運輸株式会社(東京都品川区 代表取締役 毛塚久恵)23区清掃事業、事業系廃棄処理、産業廃棄物処理、収集運搬を行っています。
*5:株式会社オガワエコノス(広島県府中市 代表取締役 小川勲):地域社会と地球の未来に
貢献するために、水、エネルギー、廃棄物の再資源化等、様々なソリューションを自治体や企業に提供しています。
*6:環境エネルギー株式会社(広島県福山市 代表取締役 野田修嗣):触媒による接触分解方式油化技術の開発と実用化を進めています。
*7:一般社団法人HiBD研究所(福岡県北九州市若松区、所長 藤元薫:HiCOP方式の発明者)、触媒を用いて高品質な炭化水素油を生成できる油化技術です。

以上


【白井グループについて】
社名 :白井グループ株式会社
代表 :白井 徹
所在地 :東京都足立区入谷5-16-28
URL :https://www.shirai-g.co.jp/
事業内容 :白井グループは、「都市の静脈インフラを再構築する」ことをミッションとして掲げITやAIなどを積極的に活用し廃棄物ビジネスの革新をめざしています。今回は廃プラスチックを石油相当油という資源に変換できることを実証したものです。


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