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アニーリング技術の実活用に向けた共同研究を開始

(2018/1/29)

カテゴリ:経営情報

リリース発行企業:株式会社リクルートコミュニケーションズ

リクルートコミュニケーションズと富士通、「デジタルアニーラ」を活用し、広告配信やレコメンド最適化への応用など、マーケティング・テクノロジーの開発を目指す

このたび、株式会社リクルートコミュニケーションズ(本社:東京都中央区、代表取締役社長:清水 淳、以下、リクルートコミュニケーションズ)は、富士通株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:田中 達也、以下、富士通)と、「アニーリング技術」を活用したマーケティング・テクノロジーの開発を目的とした共同研究を、2018年1月より開始します。


背景
●リクルートコミュニケーションズとマーケティング・テクノロジーの技術開発について
リクルートコミュニケーションズは、Webマーケティングや広告制作を通じた顧客の集客ソリューションから、リクルートの商品・サービスの宣伝・流通を通じたユーザー接点の拡大まで、幅広くマーケティング・コミュニケーションを担っています。近年、マーケティング・コミュニケーション分野では、個人の嗜好に合わせた広告の表示や情報提供を行うデジタルマーケティングが活発化しております。当社も広告配信の最適化などマーケティング・テクノロジーの技術開発に注力。様々な手法の研究を通じてマーケティング効果の最大化を目指してきました。

●量子アニーリングを中心とした研究について
個々のサービス利用者の嗜好に合わせて最適な広告やコンテンツなどの情報を提供するデジタルマーケティング分野には、従来のコンピュータでは実用的な時間では解くことが難しいとされてきた「組み合わせ最適化問題」が多く存在します。当社は、この「組み合わせ最適化問題」を高速に解く「量子アニーリング」※1技術のマーケティング・コミュニケーションへの実活用を目指す各種の研究を実施。「量子アニーリング」を用いたデータ分析手法の理論構築及びプログラムの実装、本手法を実データに適用する考察・検討を進めています。


共同研究について
●共同研究実施の目的
当社は、「量子アニーリング」を活用した研究と並行して、現在、商用化されているアニーリング方式の量子コンピュータが得意としている「組み合わせ最適化問題」を、従来の半導体技術を用いてより柔軟に解くことが可能な「アニーリング技術」※2に着目。富士通研究所※3が開発した独自の計算機アーキテクチャー「デジタルアニーラ」※4を活用して、実際のビジネス活用に向けた共同研究を開始します。本共同研究を通じて、当社が リクルートグループ各社及びその顧客に提供するデジタルマーケティングにおいて、個人の嗜好など複数の属性情報の組み合わせから導き出される、最適なサービスの提案や広告配信など、サービス品質を飛躍的に向上させる新たなマーケティング・テクノロジーの開発を目指します。

●共同研究の内容
今回の共同研究では、富士通が協業する1QB Information Technologies Inc.※5が開発した量子コンピューティング向けソフトウェアを組み合わせた「デジタルアニーラ」をクラウド形態で活用します。当社は、これまでのマーケティング・コミュニケーションを通じて得られたデータ、およびマーケティングソリューションをベースに、実際のビジネスの中で活用可能な新たなマーケティング・テクノロジーの実現に向けた研究開発を進め、 富士通と富士通研究所は「デジタルアニーラ」の利用における知見の提供と計算処理の効率性を高めるためのシステム実装を行います。また、当社と富士通は、マーケティング・コミュニケーション分野における「デジタルアニーラ」の利便性を高めるための技術の開発も共同で進めていきます。


用語解説
※1 量子アニーリング
量子アニーリング(Quantum Annealing)は、最適化問題を解くための一つの手法であり、量子効果を反映させた物理系のダイナミクスをシミュレーションすることによって最適化問題を解くものです。量子アニーリングは特に多数の局所解を持つ非線形最適化問題に優位性があると言われており、自然言語処理やマーケティング・テクノロジーにおけるクラスタリング処理など、多くの場合、最適化問題として定式化される機械学習に対しても効果的であると考えられています。

※2 アニーリング技術
最小エネルギー状態を保持した秩序ある構造の状態を作り出す「焼きなまし」をコンピュータ上で再現することで最適化問題について汎用的に解を得ることができるアルゴリズムです。

※3 富士通研究所
株式会社富士通研究所:本社 神奈川県川崎市、代表取締役社長 佐々木 繁。富士通研究所は、先端材料、 次世代素子、コンピュータ、ネットワーク、ICTシステムの研究開発から次世代のソリューション/サービス/ビジネスモデルの創出まで、幅広い分野の研究開発に取り組んでいます。日本2拠点に加え、米国、中国、欧州に海外拠点を持ち、グローバルな体制で研究開発を展開しています。

※4 デジタルアニーラ
アニーリング法を応用し、「組み合わせ最適化問題」を高速に解く計算機アーキテクチャーです。自由な信号のやりとりができる全結合構造と、高精度(16ビット)な結合の強さ表現力を採用することで、多様な問題を扱う ことができます。

※5 1QB Information Technologies Inc.
1QB Information Technologies Inc.:本社 カナダ バンクーバー市、最高経営責任者 Andrew Fursman

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