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(2017/10/4)
カテゴリ:その他
リリース発行企業:公益財団法人日本ユニセフ協会
水と衛生の改善強化とワクチン導入で
【2017年10月3日 ジュネーブ 発】
コレラを管理する国際対策委員会(GTFCC)によって明日、コレラによる死亡を2030年までに9割削減するという大きな目標を掲げた新たな戦略が発表されます。GTFCCは、コレラの影響下にある国を支援する50以上の国連・国際機関、学術機関やNGOからなる多様なネットワークです。
コレラは毎年、290万人以上の感染者と推計9万5,000人の死者を出していると考えられています。地域社会を守り、コレラの予防と流行の制御を行うために、迅速な対応が求められています。
GTFCCの新しい戦略「Ending Cholera: A Global Roadmap to 2030(コレラを終わらせる:2030年に向けたグローバルロードマップ)」によると、コレラは、その流行が予測され、実際に年々流行している特定地域の”ホットスポット”(流行地域)で感染が広がっています。
このグローバルロードマップは、資金や資源を調整し、成功例を共有し、影響下にある国々とドナーや国際機関の間の結びつきを強化することを目指しています。感染の早期確認や流行への対応における国レベルの計画とともに、コレラ制御の対応を連携して行うことが必要だと強調しています。ロードマップの実行によって、影響下にある約20カ国が2030年までにコレラを撲滅できるとされています。
「新戦略に提示した通り、コレラによるすべての死は、経口コレラワクチンの導入や基本的な水と衛生施設へのアクセスを改善することなど、今日可能な手段によって防ぐことができます」WHO事務局長のテドロス・アドハノム・ゲブレイェススは述べました。「この不公平な病は、最も貧しく、最も弱い立場に置かれた人々を襲います。21世紀の約20年間にわたって、コレラが人々の生活を破壊し、経済の破たんをもたらし続けたことを容認することはできません。私たちは、団結して行動しなければなりません。そして、今その行動を起こすべきです」
ヨーロッパや北アメリカでは、改善された水と衛生サービスの実現により、数十年間コレラの感染が見られませんでした。今日、水と衛生へのアクセスは国連により基本的人権として認識されているにも関わらず、世界では20 億人を超える人々がいまだに安全な水へのアクセスがなく、コレラに感染するリスクに晒されています。脆弱な保健システムと早期に感染を確認する体制の不備が、感染の急速な広がりを助長しています。
「コレラによって、世界の最も貧しく最も弱い立場に置かれた子どもたちが多く亡くなっていることは受け入れ難いことです」ユニセフ(国連児童基金)事業局長のテッド・チャイバンは述べました。「私たちは、これを防ぐ方法を知っています。それは、安全な水と衛生環境への投資、鍵となる保健分野の支援や保健・衛生面の生活習慣を改善する地域との協働を含む、あらゆる側面からの関与と行動です。私たちは、変化をもたらすことができます」
紛争による被害を受け、インフラの欠如や脆弱な保健システム、栄養不良の問題にすでに直面している地域に、コレラは大きな影響を与えます。コレラ流行が発生した後に支援をし続けるよりも費用効率が高いのは、こうした地域がコレラに見舞われるのを食い止めることです。
経口コレラワクチンの導入は、コレラとの闘いの流れを一変させ、緊急支援と長期的な感染制御の間にあるギャップを埋めています。WHOによって認可された二種類の経口コレラワクチンが運用可能であり、ひとりあたり僅か6米ドルでワクチンを接種することが可能です。この接種によって、約3年間コレラ感染から守られます。
また、コレラの”ホットスポット”における水と衛生の取り組みを強化することで、その流行を食い止めることができます。早期に流行を確認し、即時に対処することで、たとえそれが緊急事態下だとしても、イエメンで発生したような大規模な制御不能のコレラ流行は回避できるのです。
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■ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。(www.unicef.org)
※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する34の国と地域を含みます
※ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています
■日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国34の国と地域にあるユニセフ国内委員会のひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。 (www.unicef.or.jp)
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