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(2018/5/24)
カテゴリ:商品サービス
リリース発行企業:キヤノンITソリューションズ株式会社
キヤノンマーケティングジャパンの商品企画・開発業務で実用化
キヤノンマーケティングジャパングループのキヤノンITソリューションズ株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:足立正親、以下キヤノンITS)は、このほど顧客の声をビジネスに生かすテキストマイニング技術を核としたVOC分析ツールを開発しました。キヤノンマーケティングジャパン株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:坂田正弘、以下キヤノンMJ)のビジネス機器の商品企画・開発業務において事業の一環として運用を開始しています。
顧客視点の製品やサービスを事業展開するには、コンタクトセンターの問い合わせやSNSの投稿など「顧客の声」を活用することが重要です。しかし、顧客の声をテキストデータで蓄積していたとしても、膨大なテキストを人手で読んで知見を得ることは容易ではありません。
こうした背景の中、キヤノンITSはこのたび、R&D本部 言語処理技術部を中核として、テキストマイニング技術※を活用としたVOC(Voice Of Customer)分析ツールを開発しました。昨年8月よりキヤノンMJにおいて実際の運用を開始しており、オフィス複合機やレーザープリンターなどのコールセンター問い合わせ履歴を本ツールで集計、分析することで、キヤノン製ビジネス機器の商品企画・開発業務に活用しています。
VOC分析ツールはウェブアプリとしてブラウザ上からアクセスでき、複数人が同じデータの分析を行うことができます。稼働環境はオンプレミスでもクラウドでも容易に対応可能です。データはテキストデータに限らず、数値データ・時刻データ・カテゴリデータなどを組み合わせて様々な角度から分析できます。データの集計・検索にはOSSの高速な検索エンジンであるElasticsearchを利用し、日本語処理は独自の実装を行っています。
また、キヤノンITSは自社の手帳サービス「ネットde手帳工房」のデジタルマーケティング業務と、Webアプリケーション自動生成ツール「Web Performer」のサポート業務においても、事業の一環として運用を開始しています。「ネットde手帳工房」のデジタルマーケティング業務では、SNS上のユーザーに直接アプローチすることを支援する機能を開発し、業務を効率化しています。
一方、「Web Performer」のサポート業務では、応対ログを保管するデータベースから直接データを取り込む機能や、月次レポートの作成を支援する機能を追加しています。このように、キヤノンITSのVOC分析ツールは、業務に応じてカスタマイズできる柔軟性を備えています。
キヤノンITSは今後、今回のシステム開発・構築の実証実験・実績を生かしながら、本ツールをSIコアやソリューションとしてサービス提供、事業展開していく計画です。また、R&D本部 言語処理技術部は、今後も顧客の声のさらなる活用を目指し、データと業務の特性に応じた柔軟な技術開発と課題解決支援、研究開発を展開していきます。
※テキストマイニングは、大量のテキストデータに対して興味深い情報の探索や傾向の分析を行う技術。
<VOC分析ツールの主な機能>
1.話題俯瞰
テキストデータの分析においては、まず全体として何の話題が多いのかを把握することが重要です。本ツールでは、頻出する単語と単語間の係り受け関係をネットワーク図で提示することで、分析者が話題の全体傾向を俯瞰できるようにしています。
2.深堀り分析
本ツールでは、画面上に表示された時系列グラフ、単語一覧表などをクリックすることで、テキストを絞り込んで深堀り分析を実行できます。例えば、「作成月が2017年10月のテキストのみ」「『欲しい』という単語を含むテキストのみ」といった絞り込み条件を設定し、条件に合致したテキストの集計を行えます。また、AND・OR・否定など多様な絞り込み条件の指定を、ほぼクリック操作だけで設定可能です。分析者は、画面上に興味深い情報を見つける→そこをクリックしてテキストを絞り込む→元テキストを確認して知見を得る、という試行錯誤的な分析を繰り返し行い、「気づき」を得ることができます。
3.テキストのカテゴリ分類
本ツールでは、カテゴリごとの単語辞書を用いて、テキストの階層型カテゴリ分類を行うことができます。辞書の編集はユーザーが自由に行うことができ、辞書を編集すると分類結果がどう変わるのかをシミュレーションする機能により適切な単語登録ができます。
4.ポジネガ分析
「製品Aは映像がきれいだ」といった顧客の声は、製品に対する顧客からの評価を知るための重要な手掛かりになります。ポジネガ分析の機能では、好意的(ポジティブ)な評価と否定的(ネガティブ)な評価をしている単語をテキストから抽出し、ワードクラウドと呼ばれる可視化方法で表示します。
5.分析画面の共有・再現
本ツールの分析画面は他の分析者と容易に共有できます。例えば、「『欲しい』という単語を含むテキスト」という絞り込み条件で深堀り分析を行い、興味深い知見を見つけたとします。共有機能を用いてその絞り込み条件を他の分析者と共有すれば、他の分析者も同じ分析画面を再現でき、効率的に知見の共有が行えます。
6.効果的な活用のための工夫
本ツールでは、効果的な活用のための仕組みを整えています。データ分析においては業務・データ内容についての知識に基づいた分析が重要であるため、業務ごとの個別の機能開発が容易な構造にしています。また、分析結果を業務に組み込みやすくするため、他の業務システムとの連携が容易な構造にしています。
<VOC分析ツールのシステム概要図>
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