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(2017/11/1)
カテゴリ:調査レポート
リリース発行企業:アクセンチュア株式会社
購入プロセスの複雑化とパートナー企業間ネットワークにおける分断が、より良い顧客体験の提供を困難に
アクセンチュア(NYSE:ACN)の最新調査によると、B2B(企業間取引)購入プロセスの複雑化ならびにチャネルパートナー企業間ネットワークにおける分断が進んでいるために、B2B企業による「パーソナライズされた顧客体験」の提供が困難になっており、ロイヤルティ構築と企業成長の促進につなげにくくなっていることが明らかになりました。調査対象となった販売/顧客サービス部門の幹部のうち、自社の販売ネットワークと顧客体験を完全にコントロールできていると考える回答者は21%に留まっています。B2B企業のリーダーたちは、従来のチャネル管理の問題を傍観するのをやめ、しっかりと組織化されたアプローチを採用することで、エコシステム全体としての成長を図る必要があります。
アクセンチュアは、企業の顧客サービスの質について理解するために、世界10カ国のB2B企業の販売/顧客サービス部門の幹部1,350人を対象に、「B2BCX―企業間取引における顧客体験調査2017(B2B Customer Experience 2017)」を実施しました。この調査により、間接的なチャネルパートナーネットワークを拡大し、顧客体験の収益化を図ることが喫緊の課題であるにも関わらず、実態はそれとはかけ離れたものであることが明らかになりました。
アクセンチュア・ストラテジーで顧客戦略グループのシニア・マネジング・ディレクターを務めるロバート・ウォーラン(Robert Wollan)は次のように述べています。「B2B企業のリーダーたちは、成長のカギが顧客体験にあると理解している一方で、顧客体験の提供におけるチャネルパートナーへの依存度が高まっていることもまた理解しており、多くが適切な手を打てていません。パートナーネットワークを構築・拡大して販売機会を増やすことに注力するあまり、顧客を理解し、より良い体験を提供できるパートナーの選出・管理がおろそかになっているのが現状です。B2B企業が顧客体験向上のためのコントロールを取り戻すには、パートナーを自社ビジネスの延長として捉え、顧客理解に関する示唆やコーチング、サポートを提供することで、販売エコシステムの組織化を図る必要があります。それにより、エコシステム全体としての成長の可能性を十分に引き出すことができるのです」
デジタル化による創造的破壊、消費主義の拡大、新サービスの登場により、B2B顧客へのアプローチがより困難に
今回の調査によると、顧客の多くが法人販売担当者に接触する前にすでに購入プロセスの57%を済ませていることや、顧客の90%が売り込み営業に応じることはないと回答していること、さらにB2B取引の61%がオンラインで行われるようになっていることなどが明らかになりました。
さらにB2B企業幹部の71%が、B2B取引においてもB2C(企業対消費者間取引)並みの素早い応答や複数のチャネルを横断する一貫した体験、24時間365日対応などを望む顧客が、数年前に比べて増加していると回答しています。顧客の変化を認識している一方で、半数近く(49%)が、顧客の求める最先端の体験を提供できていないと答えています。
このギャップが最も顕著に出たのが日本です。B2C並みの体験を望む顧客が増加していると回答した割合は、調査対象国中最高の78%であった一方で、顧客の求める体験を提供できていないと答えた割合も65%と、対象国中最も高くなっています。アクセンチュア戦略コンサルティング本部で顧客戦略グループのマネジング・ディレクターを務める石川雅崇は次のように述べています「日本におけるB2B企業のリーダーは、このギャップを再認識し、パートナー企業も含めたエコシステム全体としての顧客体験の再構築によって、成長の可能性を引き出すべきでしょう。」
チャネルパートナー企業間の分断
B2B企業の幹部のほとんど(97%)が、間接的な販売チャネルパートナーは自社のビジネスに欠かせない重要な存在であると回答しています。新しいタイプのパートナーを求め、投資を拡大し、パートナーに対するより高い期待を抱いています。一方で、自社の販売パートナーネットワークを完全にコントロールできていると答えた幹部の割合は21%に留まっています。また、アクセンチュアの追加調査によると、84%が販売パートナーの商機開拓経路を把握できていないことが判明しました。
アクセンチュア・ストラテジーで顧客戦略グループのマネジング・ディレクターを務めるジェイソン・アンジェロス(Jason Angelos)は次のように述べています。「B2B企業は、チャネルパートナーとの分離によって成長の可能性が妨げられていることを認識しています。パートナー企業に案件創出とコーチングを取り入れている企業では、間接チャネルにおける収益目標を達成する可能性が63%高くなっています。大多数の企業が、今後2年間でデジタル・チャネルの強化に多額の投資を行い、エコシステムのエンゲージメントを強化しようとしていますが、これはごく自然な流れと言えるでしょう」
エコシステム全体での成長を引き出す
エコシステム全体での成長につながる顧客体験を提供するには、協力会社との連携のあり方を抜本的に考え直す必要があります。そのためには、以下のようなアクションが求められます。
1. パートナー管理から「エコシステムの編成」への転換
B2B企業が顧客に提供する体験をコントロールしていくするためには、間接的なチャネルパートナーを、自社ビジネスの延長線上にあって、顧客価値を高める重要な促進要素であると捉えることが重要です。パートナーネットワークと積極的に連携し、十分なサポートを提供することで、顧客体験を大幅に改善することが可能です。
2. パートナーの優先事項をサポートする
間接的なチャネルパートナーのエコシステムにおいては、最終顧客のニーズと嗜好の理解を何より優先することが肝要です。最適な顧客体験を提供するには、一貫した洞察が求められ、パートナーにとって有益な案件情報、リソース、顧客向けイベントや拡販のためのコーチングなどを提供することで、継続的な顧客情報の共有が促進されます。フィードバックの仕組みとデータの共有は、信頼の構築と新しい価値の創出に不可欠と言えます。
3. エコシステム全体での成長に向けた新たな基準の導入
顧客データの管理、分析、ソーシャルリスニングの技術を用いることで、顧客が求める体験、関連性が高く差別化された体験を提供しやすくなります。新しい技術に投資し、顧客体験に関する直接的なフィードバックプロセスなどを組み込むことで、確実なパフォーマンス測定につながります。
本調査の詳細は、www.accenture.com/B2BCXでご覧いただけます。
調査方法
企業間取引における顧客体験について調べた今回の調査は、2017年5月、世界10カ国におけるB2B企業の販売、サービス、マーケティング部門の幹部1,350人を対象に実施されました。調査対象国は日本のほか、米国、英国、フランス、ドイツ、イタリア、スペイン、ブラジル、中国、韓国です。調査対象となった企業は16の業界にわたり、その大半が年間10億ドルを超える収益を上げています。
アクセンチュアについて
アクセンチュアは「ストラテジー」「コンサルティング」「デジタル」「テクノロジー」「オペレーションズ」の5つの領域で幅広いサービスとソリューションを提供する世界最大級の総合コンサルティング企業です。世界最大の規模を誇るデリバリーネットワークに裏打ちされた、40を超す業界とあらゆる業務に対応可能な豊富な経験と専門スキルなどの強みを生かし、ビジネスとテクノロジーを融合させて、お客様のハイパフォーマンス実現と、持続可能な価値創出を支援しています。世界120カ国以上のお客様にサービスを提供するおよそ42万5,000人の社員が、イノベーションの創出と世界中の人々のより豊かな生活の実現に取り組んでいます。
アクセンチュアの詳細はwww.accenture.comを、アクセンチュア株式会社の詳細はwww.accenture.com/jp をご覧ください。
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