(2015/10/8 05:00)
【名古屋】中部大学超伝導・持続可能エネルギー研究センターの山口作太郎教授は、住友電気工業などと共同で、太陽光で発電した電気を世界最長級の500メートル先に超伝導直流送電を行い、データセンターで利用する実験に成功した。超伝導送電を実用に近づける成果。全長1キロメートルの実験設備も建設中で、2015年中に稼働する。
実験は「石狩超電導・直流送電システム技術研究組合」を組織し経済産業省から受託した。北海道石狩市に設備を敷設。さくらインターネット(大阪市中央区)の直流利用型のデータセンターで受電し安定運営を確認した。
超伝導材料は「ビスマス2223」。液体窒素でマイナス200度Cに冷却する。冷却で収縮しても破損しないように送電線をらせん状にし、液体窒素を循環しやすくするため送電線を包むパイプも工夫した。
380ボルトで送電し、電力損失は0・1―0・3ボルト。敷設コストは500メートルで2億円。理論上の容量は6万キロワットという。今後の研究で「さらにコストを半分から3分の1程度にする」(山口教授)方針。
(2015/10/8 05:00)
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