[ その他 ]
(2015/11/11 05:00)
9月中間決算の発表がヤマ場を越えた。1部上場企業全体の利益は過去最高の勢い。中国経済減速の影響を受けながらも、各社が頑張った結果といえよう▼そうした中で、不正な会計処理が発覚した東芝は905億円もの営業赤字。歴代社長の3人らの引責辞任と株主の訴訟、業績悪化など負ったつけは大きい。東芝自体が旧経営陣5人を提訴する事態になっている▼他にも大企業が絡む不正が表ざたになっている。東洋ゴム工業は3月に免震ゴムで、また10月には子会社が製造する産業用防振ゴムでデータの改ざんがあったことが判明した▼旭化成系の旭化成建材は、建物を支える杭(くい)の工事で固い地盤に届いていないにもかかわらず施工データを流用・加筆した。東洋ゴムにせよ旭化成建材にせよ、地震大国でこうした不正が行われていたことは信じがたい▼企業は利益を出さなければ株主に配当できないし、赤字続きなら存続が危うくなる。だからといって不正を働いてしまっては利益よりももっと大きなものを失う。コーポレートガバナンスもコンプライアンスも、規定を壁に貼っておくだけでは意味がない。企業は他社の不正の発覚を他山の石として、改めて規定に魂を入れることを確認したい。
(2015/11/11 05:00)