[ その他 ]
(2015/11/23 05:00)
与党は野党の国会召集要求を押し切り、代わりに通常国会を来年1月早々に開いて補正予算などを審議するという。「臨時国会がない」という異例の秋が間もなく終わろうとしている▼総選挙後に召集する特別国会を別にして、新春から夏にかけての通常国会と秋の臨時国会が交互に開かれるのは永田町や霞が関にとって風物詩のようなもの。現行憲法下で通常国会が連続したのは1952年(昭27)の第13―14回のみというから、確かに異例だ▼歴史を調べると、この時には衆議院議員の任期が1月に満了となるため通常国会を前倒しする規定があり、8月に召集したという。7月に閉幕した第13回通常国会との間隔は1カ月足らず▼近年の例では2005年秋に臨時国会がなかった。8月の郵政解散で圧勝した小泉純一郎首相(当時)は、9月から42日間の長期の特別国会で郵政法案はじめ廃案になった多くの法案を処理した。つまり秋の国会は機能していた▼国会召集見送りには異論もあろう。ただ10月に発足した改造内閣の新閣僚に珍しく“じっくり勉強する”時間が与えられたことは事実。「我々としてもありがたい」と高級官僚は話す。予算編成や次期国会で、勉強の成果をみせてもらいたい。
(2015/11/23 05:00)