[ その他 ]
(2015/12/7 05:00)
5日に最終日を迎えた「2015国際ロボット展」では、連日ロボット技術の未来図を探るフォーラムや最新技術を体験できるイベントが開かれた。
【AIロボットフォーラム】 日刊工業新聞社などが主催する「AIロボットフォーラム」(4日開催)では、人工知能(AI)の現状と進化への課題が議論された。AI関連技術を得意とするプリファード・ネットワークス(東京都文京区)の西川徹社長が「機械類は人間の脳と異なり、並列につなげられ、効率的に複雑な作業が可能になるよう進化できる」と利点を強調。神戸大学の松田卓也名誉教授は「脳のような働きのソフトウエアがあれば、AIは飛躍的に進化する」と意見を述べた。
【家庭×ロボットフォーラム】 日本ロボット工業会などは5日、「家庭×ロボットフォーラム」を開催、家庭で活躍するロボットのあり方などを討論した。
パナソニックでマーケティングを担当する小杉彩氏はロボット掃除機を例に挙げ「静音性など日本の生活事情に合った機能が重要」と差別化のポイントを指摘。家電ライターの藤山哲人氏は「話せる機能があると愛着がわく」とコミュニケーション能力の必要性を説いた。
【ロボット未来フォーラム】 5日開かれたロボット未来フォーラム(日刊工業新聞社など主催)では、人型ロボット「マツコロイド」を使ったテレビ番組などを題材に、ロボットと人の関係性を話し合った。
日本テレビ放送網の吉無田剛プロデューサーが「マツコロイドに漫才や会談をさせると、プロの人の技のすごさが分かる」と解説。クリプトン・フューチャー・メディアの伊藤博之社長は「ロボットは会話の抑揚や声音から感情を察することが難しい」と、進化に向けた課題を挙げた。
【超人スポーツフォーラムと体験企画】 ロボット技術などを使った新たなスポーツの普及を目指す超人スポーツ協会が5日開いたフォーラムでは、映画監督の神山健治氏が「脳が身体能力を超えたことをできるか」と議題を出すなど、超人スポーツの可能性について活発な議論が行われた。
会場内では、子供らが実際に超人スポーツを体験できる企画も行われた。
【農業ロボコンテスト開催】
農林水産省、地方創生農林水産業ロボット推進協議会は5日、高校・大学生らが地域課題の解決を狙いに開発した農業ロボットを披露するイベント「2015農林水産業ロボットコンテスト」を開催した。
実際の畑や農場を模したブース内で、今市工業高校が開発した遠隔操作で畑等の見回り業務ができる、ほ場見回りロボット「キリン」や、美唄尚栄高校の排ガスが出ず密閉されたビニールハウス内でも活用可能な電動トラクター「コンバージョンEVトラクター」、信州大学による不整地・悪路を走ることが可能な移動・搬送ロボット「アグスリム―FSW」など、計6校がロボットを実際に動かしてアピールした。
(2015/12/7 05:00)