[ その他 ]
(2016/1/26 05:00)
自宅最寄り駅の公共駐輪場は、定年退職した”シルバー人材“が管理している。この担当者が時おり代わるのだが、人によって管理の仕方が驚くほど違う▼駐まっている自転車をカウンターで数えたり、登録シールを付けていないものを見つけたら警告シールを貼ったりするのが管理者の主たる業務らしい。異常がないかどうか、プレハブ小屋から常に場内を見渡すのも大事な仕事だろう▼しかし一ユーザーとして配慮してもらいたいのは、自転車の整列だ。駐輪場は毎日、ほぼいっぱいに埋まる。朝遅い時間帯に来ると、自分で他人の自転車をずらしてスペースを確保しなければならない▼前任の管理者の頃は、この必要がなかった。無駄な手間を利用者にかけさせないようにという配慮だろう。小屋にこもる様子もなく、次はどこにスペースを作ろうかと言わんばかりの表情で、いつも場内を歩き回っていた。形式的な説明では後任に引き継げない”人間力の差“であるのかもしれない▼前任者はきっと、現役時代も配慮の行き届いた仕事をしていたろう。自分がシルバー世代に達した時、周囲の人からはどう見られるだろうか。乱雑に並んだ自転車をずらすのに難儀しながら、そんなことを考える。
(2016/1/26 05:00)