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(2016/5/4 05:00)
熊本地震の影響で、阿蘇山の麓にある熊本県南阿蘇村の観光が大きな打撃を受けている。山上に向かう道路は壊れて通行止めとなり、5月の山開きは中止になった。観光客が多く訪れるゴールデンウイークだが、大半の観光施設は休業中。一部再開したホテルや飲食店も客足はまばらだ。
阿蘇山は九州有数の観光スポット。九州地方環境事務所によると、地震で阿蘇山の根子岳の頂上部分が一部欠け、烏帽子岳も南斜面が崩落した。熊本県によると、山上に通じる道路は路面がめくれたり割れたりするなど大きく損傷。復旧には時間がかかる見通しだ。
地震被害を受け、南阿蘇村の観光協会は5月に予定していた烏帽子岳の山開きを断念した。約200人の参加を見込んでいたが、余震は続き、担当者は「残念だが安全が確保できない」と話す。
宿泊施設もダメージを受けた。観光協会に加盟する45施設のうち、4月末で営業を再開したのは約1割。飲食店も休業が目立ち、湯が枯渇した温泉地もある。
こうした中、アーデンホテル阿蘇は1日に営業を再開。例年は登山客らで満室だが、今年の稼働率は約3割にとどまる。レストラン「緑の小箱」は4月23日から、メニューをコーヒーに限って営業してきた。5月からは食事も提供して観光客を迎える。カフェ「ベーグルワン」は4月29日に店を開けたが来店客は少なく、経営する下川裕人さん(47)は「こんなことは初めて」と不安顔だ。今はインターネットの注文に対応するが、「夏休みにはぜひ阿蘇に来てほしい」と願う。
(2016/5/4 05:00)