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[ 環境・エネルギー ]
(2016/6/17 05:00)
長岡技術科学大学の騒音・振動制御工学研究室は、熱を音波に変えて電気を作り出す「熱音響発電機」を試作(写真)した。実用化できれば、捨てられている生産設備の廃熱で発電し、工場の照明などに活用できる道が開ける。
発電には自動車の排ガス浄化に使われる、セラミックス製フィルターとリニアモーターを使う。
細かい管が何本も通った円柱形フィルターの片側を廃熱で温め、反対側を水で冷やして温度差を作ると音波が発生する。その音波をリニアモーターに届けて発電する。
音波が発生すると、空気が細かく震えて熱が生じる現象がある。試作機では、逆にフィルターを温めて音波を作り出す。リニアモーターも普段は電気を運動エネルギーに変えるが、逆に音波による細かい振動を電気エネルギーに変換して発電する。
フィルターを何台も並べる多段接続にすると、利用できる廃熱の温度や発電出力を調整できる。工場などの産業用で利用が難しいとされる、100度C付近の低温廃熱も発電に使えるという。
ただ、廃熱の温度が一定であることなど、実際の使用には条件がある。エネルギーの有効利用につながるが、実用化までは時間がかかりそうだ。
(2016/6/17 05:00)