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[ 環境・エネルギー ]
(2016/6/17 05:00)
■効率栽培、自治体も注目
植物工場・スマートアグリ展では昭和電工が独自技術のSHIGYO法を用いた植物工場や栽培野菜、アルミスがコンテナ型の植物工場ユニットをそれぞれ展示。昭和電工は「昨年の展示と比べ、来場者の質問内容がより高度になった」と話す。植物工場に参入を果たし、事業として利益を上げるためにどうすればよいのか、進出企業も研究している。昭和電工はSHIGYO法で赤色光・青色光を交互に照射し野菜が短期間で大きく育つことをアピールしていた。(編集委員・嶋田歩)
アルミスも「来場者の大半は企業だが、自治体からの問い合わせも結構ある」という。耕作放棄地増加に悩む自治体では土地の活用手段で植物工場に期待するところも多い。露地栽培野菜といかに勝負するか、そのヒントを出展各社の商品や技術に求めている。
成電工業は「植物工場野菜は早く大きく育つだけではだめ。歩留まりが重要」と強調する。スーパーや外食に納入する場合、寸法が規格以下の野菜や形の悪い野菜は受け付けないのが普通だ。「歩留まり90%」を誇る同社は半導体で培った環境制御に加え、野菜生育に特化した白色発光ダイオード(LED)、専用液体肥料の開発などで「規格野菜を安定生産できる」と胸を張る。
スマートコミュニティ展ではリコージャパンが、太陽光発電サービスやAEDサポートパックなどの事業を紹介。太陽光発電は里山など交通不便な場所にあることが多く、メンテナンスサービスが難しい。リコーはコピーやファクスで培った営業網や専用社員が全国に豊富にあり「この体制が他社にない強み」と話す。
エイ・アール・アイは超精密オートバランス装置をPR。研削盤やマシニングセンターに取り付け、芯振れを減らして省エネや静音化が図れるが「より有望な市場は自動車と鉄道車両」と期待をかける。自動車の場合、燃費向上や高速走行の安定性、振動音低減が図れ、「すでに問い合わせも来た」と期待している。
■水素社会実現フォーラム
水素社会実現フォーラムでは、経済産業省資源エネルギー庁燃料電池推進室の星野昌志室長補佐が、水素社会実現に向けたロードマップを提示。
エネファームの価格を現在の約130万円から80万円に引き下げ、FCVの台数も80万台に増やすなど将来目標を示した上で「普及には一段のコストダウンとともに、規制緩和が必要。国として積極支援していく」と強調した。
岩谷産業の宮崎淳常務執行役員は液体水素製造や水素ステーションなど自社の取り組みを説明し「世界各地で環境問題や異常気象が騒がれ、二酸化炭素(CO2)が関わっているとされる。水素はCO2フリーエネルギーで期待が持てる」と話した。
トヨタ自動車の野正斉MS製品企画主幹は燃料電池車「MIRAI」の開発取り組みなどを紹介した。
■スマートシティ先進事例
東京ビッグサイト(東京都江東区)で開催中の「スマートコミュニティJapan2016」の会場で16日、「2020を見据えたスマートシティの先進事例」(日刊工業新聞社主催)と題したシンポジウムが開かれた。
パナソニックの宮原智彦CRE事業推進部長が、工場跡地を活用したスマートシティー(環境先進都市)開発を紹介。東京ガスの進士誉夫スマエネエンジニアリンググループマネージャーは地域に電気と熱を供給するエネルギーネットワークについて、東京・田町などを例に講演した。宮原部長は「土地活用、新規事業開発、地域貢献の三つの価値を考えて取り組んでいる」と話した。
(2016/6/17 05:00)
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