[ 機械 ]
(2016/6/22 05:00)
ソディックはアルミニウム合金を造形できる射出成形機を開発した。溶湯と成形を1台に収め、装置内に空気が入りにくい構造とし、強度低下の要因である鋳巣ができにくくした。造形品を薄く、軽くできる。アルミ合金を対象とした射出成形機の製品化は世界で初めて。スマートフォンの筐体(きょうたい)や自動車部品の新工法として、月内に発売する。2018年度に売上高50億円を目指す。
開発した成形機「ALM450=写真」は、棒状のアルミを装置内の溶解シリンダーで溶かした後、射出シリンダーで保持し、金型内に押し入れる。鋳巣の原因となる空気の含有率は一般的なダイカストマシンで高品質とされる0・5%。それ以下の水準もめどを付けた。溶けたアルミが金属を溶かしてしまう課題をシリンダー材料と表面処理技術で解決した。価格は約7800万円を見込む。
スマホのアルミ筐体は後工程で切削加工が必要だが、すべてを削り出す既存工法に比べ、工期を4分の1に圧縮できるとみる。二つのシリンダー構造は主力製品である樹脂用の射出成形機の仕組みを応用した。
型締め力450トン機を投入し、A4サイズ以下向けを開拓する。中長期では大型機を開発し、自動車のエンジンや変速機などにも対応する。
現状のダイカストマシンは、本体と溶解炉が別で、アルミの注入時に空気が混ざりやすい。製品設計時に鋳巣を見越し、厚肉にする場合があり、重量増の要因になっている。炉と一体型のダイカストマシンもあるが溶損しやすく、アルミに向かないとされる。
(2016/6/22 05:00)