[ オピニオン ]
(2016/7/11 05:00)
国民投票の結果「Brexit」(ブレグジット、英国の欧州連合〈EU〉離脱)が決まって半月余。最近よく聞かれるのは「Bregret」(ブリグレット、英国の後悔)だ。
選挙前、離脱派のリーダーは「EUへの負担金がなくなれば、国民保健サービスに週当たり約480億円拠出できる」と訴えた。だが、離脱が決まると「使途は約束していない」と強弁。残留派だけでなく離脱に投票した人からも「公約違反」との批判が相次ぐ。
キャメロン首相の後任となる保守党党首選びで最有力候補とみられたジョンソン前ロンドン市長は不出馬を表明。離脱のもう一人の立役者だったファラージ英国独立党党首も辞任を表明した。“責任放棄”の姿勢が人々の怒りを買っている。
国民投票のやり直しを求める声もあるようだが、実現は難しい。「後悔先に立たず」の極みだ。この先、いかに英国とEUが離脱に関する合意点を見いだしていくか注目される。
日本では参議院議員選挙が終わり、東京に限れば近く知事選が告示される。都知事は2人続けて任期途中で辞職した。原因は本人にあるが、選んだのが都民であるのも事実だ。結果を見てから後悔するのはダメだと、有権者として常に心しておきたい。
(2016/7/11 05:00)