[ オピニオン ]
(2016/7/15 05:00)
「ダイエットと同じだよ。まずは現状をきちんと認識し、計画を立て、実行していく」―。中小企業や小規模事業者の生産性向上を支援する『中小企業等経営強化法』が施行された。関係者によるダイエットの例えは、分かりやすかった。
2016年版小規模企業白書によると、経営計画を作成したことがある小規模事業者は約5割にとどまる。一方で計画の作成経験のある企業の方が、そうでない企業より売上高の増加傾向が強い。
これまでの計画作成の背景・動機で最も多いのは「補助金申請で必要となったから」だ。新法では国があらかじめ事業分野別に指針を決め、これに基づく経営力向上計画を企業に申請してもらう。認定を受けると新規導入設備の固定資産税半減や、金融支援などの優遇策を受けられる。
つまり計画書を作成することで経営者に自社の状況を把握してもらう。それを機に経営課題の解決や生産性を向上する取り組みを促そうというものだ。
ダイエットの場合、体重から目をそらさずに現実を受け入れることが真剣な取り組みの第一歩。ただ目標を達成したからと油断すると、リバウンドがやってくる。企業も業績悪化のリバウンドを避けるには、継続的な取り組みが必要だ。
(2016/7/15 05:00)