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[ エレクトロニクス ]
(2016/7/18 05:00)
東芝と米ウエスタンデジタル(WD)が、半導体メモリーを軸とした協業を加速する。WDのスティーブ・ミリガン最高経営責任者(CEO)は「今後3年間に計50億ドル規模(約5250億円)を東芝の四日市工場(三重県四日市市)に投資する」計画を明らかにした。東芝・WD連合は投資の効率化で、過熱するメモリー市場の競争を勝ち抜く構えだ。
東芝は米サンディスクと提携関係にあったが、WDが同社を買収。WDがサンディスク時代の協業関係を維持し、四日市工場に投資を集中して生産技術力を向上し、最大のライバルである韓国サムスン電子に対するコスト競争力を高める。東芝は2018年までに約8600億円を投じる計画で、WDとの投資額の合計は約1兆4000億円を見込む。
すでに東芝初の3次元(3D)構造のNAND型フラッシュメモリー量産拠点となる新第2製造棟が稼働し、協業の一歩を踏み出した。東芝の綱川智社長は「日本の半導体は衰退していると言われるが、四日市を起点に最先端技術を発信したい」と意気込む。
不適切会計問題で特設注意市場銘柄に指定されている東芝は資金調達面でリスクがあり、協業関係に影響を与える可能性もあった。しかしWDのミリガンCEOは「東芝は半導体事業で高いコミットメントを持って市場に挑んでいる。さらに技術力が非常に高い」と評価。「一連の問題で従来の協業関係が変わることはない」と力を込める。東芝が工場建屋の投資を負担、製造設備は2社で折半する関係も変えない。
ただ東芝とWDは販売面で競合関係にある。両社とも今後の注力分野にデータセンター向けの外部記憶装置「ソリッドステートドライブ」(SSD)を挙げ、「独占禁止法の関係からセールス面で協業することはない」(ミリガンCEO)。競合関係は維持される見通しで、両社の協業に影響を与える可能性は否定できない。ただ今後のメモリー市場における競争を勝ち抜くには、協業しながらの投資や開発、生産効率化が欠かせない。
(2016/7/18 05:00)
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