[ オピニオン ]
(2016/8/16 05:00)
帰省に合わせた同窓会。共働き家庭もあれば専業主婦も独身者もいる女性陣の間で、話題が配偶者控除の是非に及んだ。
「夫だけの稼ぎで妻子を養うのは大変なのだから、控除はあって当然」と専業主婦が言えば「“お一人様”の生活コストは割高だ」と独身者が反論。共働き家庭も「夫婦とも役職が上がると家事に割く時間は乏しい。外食に頼るし、交際費もかかる」と力説する。
担税力―税の負担能力の一義的な指標は収入であり、これに応じた累進課税は多くが是とする。しかし担税力の減殺要因を反映した個人所得の控除に関しては、立場やライフスタイルで意見が異なる。
配偶者控除は専業主婦や扶養内パート主婦に恩恵がある。とはいえ主婦を夫の担税力の減殺要因と位置付けるのは「失礼な話」(専業主婦)。内助の功があってこそ夫が仕事に集中でき、現在の収入を得ている家庭も多かろう。
議論を聞いていた男性陣が「ウチの嫁は…」と愚痴をこぼしはじめ、それが一部でノロケに転じたところで店員の「お飲み物ラストオーダーです」の声。“居酒屋国会”はあえなく閉会した。何度も浮上しては消えていく配偶者控除の見直し。より多くの人に納得してもらうには、どうすべきだろうか。
(2016/8/16 05:00)