深層断面／炭素繊維、北米で攻勢−航空機・車向け需要けん引

東レ、帝人、三菱レイヨンの日系炭素繊維メーカー３社が北米での設備投資を鮮明にしている。高強度で軽量な炭素繊維は燃費向上を急務とする航空機や自動車、風力発電用ブレード（羽根）向けが大きく伸び、２０２０年の需要量は今の約２・５倍に急拡大すると見られる。中でも北米は、急成長のけん引役の航空機や自動車産業の一大集積地で、事業拡大を狙うメーカーにとっての最重要エリアだ。有望市場を巡る投資合戦が熱を帯びてきた。（小野里裕一）

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  炭素繊維の大きな需要が見込まれる米ボーイングの次期大型旅客機「７７７Ｘ」（イメージ）

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  東レの炭素繊維「トレカ」を使ったプリプレグ

量産・成形性など課題

【東レ／２０年めど新拠点に１０００億円】

炭素繊維供給量世界首位の東レは「北米の炭素繊維の新拠点に２０年までに１０００億円を投資する」（日覚昭広社長）と日系メーカーで唯一、北米での投資額を明確に示し、その重要度を印象付ける。総額１兆円を超え...