[ 機械 ]
(2016/8/24 05:00)
【NCルータ PLANET BLUE SPB5−1326】
完全ダストフリー実現
「世界で初めてNC(数値制御)ルータを世に送り出した会社の使命だ」(庄田浩士庄田鉄工社長)。人や地球環境にやさしい次世代NCルータを目指し、2014年にトップの肝いりで開発がスタート。炭素繊維強化プラスチック(CFRP)など加工する材料が変化する中、「粉じんが出て当たり前という業界常識を打ち破る」(吉林基支技術部係長)挑戦だった。
NCルータの加工対象は鉄よりも軽い木材や焼結前のセラミックス、CFRPなど。これらはドライ(乾式)状態で加工するため、切削くずは細かい粉じんとなる。マシニングセンター(MC)と比べ加工対象物(ワーク)も大きいため従来の粉じん対策では機械全体を覆うことが多く、作業者は粉じんが舞い上がる中での作業を余儀なくされていた。
作業者の健康を守り、かつ高精度に加工するためには「駆動部をいかに加工エリアから隔離するか」(吉林係長)が難関だった。微細な粉じんが摺動(しゅうどう)面や駆動部に付着すると、製品精度や機械寿命に大きな影響を及ぼす。
開発品は主軸に集じん口を取り付け、加工エリアをカバーで覆った。内部の気圧を大気圧より低くしているため粉じんがカバー外部へ出ない。切削加工中や切削加工後も全体カバーを閉めた状態で粉じんを除去するエアブローができ、“完全ダストフリー”を実現している。
構想から完成まで約10カ月。「構想が固まるまではプレッシャーがあったが、実際に開発が始まるとほぼ構想通り順調に進んだ」(同)と振り返る。
“プラネットブルー”は庄田鉄工の新ブランドとして、将来の方向性を示す。深い青と白で描いたカバーの特徴的なデザインは「青く美しい地球」をイメージ。今後は同機を日本のほか海外の展示会にも積極的に出展し、ブランド浸透を図る。
26年には創業100周年の大きな節目を迎える。「その時に世界一のNCルータメーカーになっていたい」と庄田社長の目標は明確だ。
(浜松編集委員・田中弥生)
(2016/8/24 05:00)
関連リンク
機械のニュース一覧
- アマダ、生産部門集約-工作機械などAEGに移管、60億円コスト改善(17/02/20)
- 島津、ワイヤロープの損傷をすぐ検知する技術-磁気の乱れで判別(17/02/20)
- 中古建機、ネットオークションで売買−ソラビト、スマホ対応で来月開始(17/02/20)
- 挑戦する企業/川崎重工業(5)縦と横の関係(17/02/20)
- 浜中ナット販売、ボルト事業に本格参入−高強度・特注品にも対応(17/02/20)
- 三井造船、ガスタービンコージェネ設備を4台連続して受注(17/02/20)
- 山洋電気、サーボアンプに新型番−保持ブレーキ装備(17/02/20)
- ファイルいい話/マスダック−製菓ライン(17/02/20)
- 新日本空調、モルディブに支店開設−省エネ・太陽光設備受注狙う(17/02/20)
- 椿本チエイン、ツバキ山久を完全子会社化(17/02/20)
- MonotaRO、リードタイム短縮(17/02/20)
- 日立建機、豪ブラッドケンへのTOB再延長(17/02/20)