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[ 科学技術・大学 ]
(2016/8/26 05:00)
東京医科歯科大学難治疾患研究所の岡澤均教授らは、アルツハイマー病の超早期治療につながる分子メカニズムを解明した。同病の原因とされるたんぱく質「アミロイドベータ(Aβ)」の脳内での凝集前に量が変動するたんぱく質「MARCKS」に着目。MARCKSを制御する細胞外分子「HMGB1」の抗体を作製し、同病のモデルマウスに投与したところ、病態を抑制し症状を改善することを明らかにした。同病の治療薬の開発が期待される。今後、HMGB1抗体の実用化に向けヒトの患者に使えるよう製剤化し、臨床試験の実施を目指すという。
同病では、細胞外にAβが沈着する老人斑と、細胞内にタウたんぱく質が凝集する神経原線維変化が起きることが知られている。Aβの凝集後に同病の治療を始めるのでは遅く、脳内でのAβのたまり始めでの治療開始や、Aβ凝集前の脳内の分子変化を解明し新しい分子標的治療薬を開発することなどが求められていた。
理化学研究所、名古屋大学、創価大学などとの共同研究。成果は25日、英電子版科学誌サイエンティフィック・リポーツに掲載された。
(2016/8/26 05:00)
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