[ 機械 ]
(2016/9/1 05:00)
【三菱数値制御装置 M800/M80シリーズ】
薄型化で質感高める
専用の中央演算処理装置(CPU)を開発して従来より高精度、高速の加工を実現した工作機械用コンピューター数値制御(CNC)装置「M800/M80シリーズ」。能力向上だけではなく、「デザインにも力を入れた製品」(福谷武都志NCシステム部長)だ。
例えば表示器部分の厚み。従来機種は20ミリメートルだったが、19インチの液晶パネルを備えるM800Wで14ミリメートル、15インチのM800Sで9・5ミリメートルに抑えた。薄くすることで「工作機械に組み込んだ時の質感が非常に上がる」(同)。
液晶のタッチパネル化が薄型化の難関だった。2本の指でパネル上の図を拡大縮小するといった操作方法のスマートフォン化の波が、今やCNCにも及ぶ。従来もタッチパネルはオプションであったが、1本の指の接触しか検出できないアナログ抵抗膜方式だった。今回はスマホ的な操作を可能にする2点押し対応の静電容量方式を標準搭載にした。液晶モジュールが厚くなるハンディの下でさらなる薄型化の工夫を迫られた。
「液晶モジュールと背面のコントロールユニットの間をどうするかが大変な所だった」と大塚亨NCシステム部NCハードウェア技術課長は振り返る。発熱を抑えて冷却用のフィンを小さくして背面ユニットを薄くする技術面の向上と、液晶を載せる台座の形を工夫して、内部側に液晶モジュールを深く埋め込めるようにする構造面の進化を組み合わせ、薄型化にこぎつけた。
画面デザインにも凝った。使用中の工具は一目で分かるアイコンで示す。また、M800Wは加工中にXYZの各軸がどの座標にあるかを図で表示する。機械の状況を視覚的に理解できるデザインにした。
「工作機械そのものもデザイン性が優れてきている。その工作機械で使ってもらうには、CNCもデザイン性に優れたものが必要」と福谷部長は語る。
デザイン性が差別化の要―。同シリーズのデザインへのこだわりは、この潮流がCNCにも到来したことを示している。
(名古屋・江刈内雅史)
(おわり)
(2016/9/1 05:00)
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