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[ 環境・エネルギー ]
(2016/9/1 05:00)
「第19回オゾン層保護・地球温暖化防止大賞」(経済産業省・環境省後援、日本冷媒・環境保全機構協力)の受賞者が決まった。先駆性、環境影響度、実績、将来性などを審査し、「経済産業大臣賞」「環境大臣賞」「優秀賞」「審査委員会特別賞」の計6件を選定した。受賞テーマ・受賞者は以下の通り。(1面参照)
《経済産業大臣賞》
【「微燃性冷媒適正利用のためのリスク評価」/日本冷凍空調学会・日本冷凍空調工業会】
冷凍空調業界では地球温暖化係数(GWP)の低い次世代冷媒への転換が急がれている。ただ微燃性のものが多く、冷凍保安規則などに規定がないため、強燃性と同様に厳しく規制されている。これを受け、産官学のリスク評価審議体制を構築し、「R32」「R1234yf」「R1234ze(E)」の安全対策、業界規格・ガイドラインをまとめた。これらの成果を反映し、漏えい対策を講じることなどを条件に不活性ガスに位置付け、規制緩和される見込み。「純冷媒や混合冷媒」「強燃性冷媒」のリスク評価にも成果を活用する計画。
《環境大臣賞》
【「小型店舗向け冷凍機内蔵型/別置型CO2システムの開発と実用化」/サンデン・リテールシステム(東京都千代田区)】
小型店舗向けに二酸化炭素(CO2)冷媒を採用した冷凍機器(内蔵型、別置型)システムを展開。2013年度からコンビニエンスストアで実証を開始し、15年度までに累計100店舗以上に導入。機器出荷台数は累計2000台に達した。
別置型では冷却回路の系統を分割し、各ショーケースの負荷に合わせて圧縮機を制御して省エネ化。配管の細径化で施工性も向上した。またカーエアコン用で実績があるオールアルミニウム製マイクロチャンネル式熱交換器を初採用し、熱交換効率を上げ、コンパクト化した。
《優秀賞》
【「フロン代替真空洗浄乾燥機の開発と19年間の実績」/アクアテック(福岡県遠賀町)】
真空方式の洗浄乾燥機の改良を続け、この19年間で国内をはじめ、中国など海外8カ国で展開し、約1200台の納入実績を積み上げた。従来の洗浄装置の1台当たりフロン使用量が年7200リットル、1200台として試算した場合、年864万リットル、ドラム缶換算で年4万3200本分を代替したことになる。
【「冷媒フロンのリサイクルネットワーク構築と高純度再生品の供給」/阿部化学(静岡県焼津市)】
フロン回収から再生、充填までのリサイクルネットワークを構築し、この10年間で計約3300トンの再生冷媒を製造した。再生処理による温室効果ガス削減効果は二酸化炭素(CO2)換算で約1万3000トンと試算。1トンを超える冷媒回収にも対応。“補充用冷媒のメーカー”として存在感を発揮している。
【「フロン排出抑制法普及活動とHCFC冷媒機器の更新推進」/東京冷機工業(東京都文京区)】
顧客約7000社に独自のフロン排出抑制法施行案内チラシを配布。点検管理用ステッカーも用意し、点検時期の明確化、視認性の向上を図り、周知徹底につなげた。冷媒フロン類取扱技術者も増員した。また積極的にHFC冷媒機器への更新を提案しており、2016年度は3600台を更新する見込み。
《審査委員会特別賞》
【「加熱調理品凍結装置におけるヒートポンプ活用技術」/日東ベスト株式会社(山形県寒河江市)】
ハンバーグ製造向け加熱調理品凍結装置の予冷部に自然冷媒採用のヒートポンプを搭載し、冷却時に奪った熱で温水をつくり、工場の洗浄などに活用した。これらにより2015年度は温室効果ガス排出量を年891トン削減。成果を横展開して代替フロン使用をなくし、二酸化炭素(CO2)排出削減を図る。
(2016/9/1 05:00)
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