[ 機械 ]

真空展、横浜で開幕−86社・団体が出展、独創的製品の展示目立つ

(2016/9/8 05:00)

  • アルバックのブースで説明を聞く来場者

最新の真空技術を一堂に集めた「VACUUM2016 真空展」(日本真空工業会、日本真空学会主催、日刊工業新聞社共催)が7日、横浜市西区のパシフィコ横浜で開幕した。半導体、薄型ディスプレー、医療機器、分析機器、新エネルギー関連分野など86社・団体が出展。真空技術を利用した独創的な製品の展示が目立っている。

アルバックは真空計「G―TRANシリーズ マルチイオンゲージST2―1/同―2」を展示。高真空下の測定において測定子の汚れなどによる短寿命の課題を解消した。従来、測定子は1週間から1カ月程度で交換が必要だった。新製品の採用企業は「半年間経過したが問題ない」(宮下剛第1計測技術部1課主管)と好評だ。

島津製作所はターボ分子ポンプ「TMP―B300」を出展。高背圧と高い水素圧縮比を持ち、長寿命の軸受機構によりメンテナンスを減らした。全方位取り付けが可能。今後は「大学や研究機関のほか、一般向けにも拡販したい」(太田知男TMPビジネスユニット長)。グループ会社の島津エミット(大阪市中央区)は同ポンプを応用した高真空排気ユニット「EHV―B300」を販売する。

入江工研(東京都千代田区)は300ミリメートル半導体製造装置用ゲートバルブを開発。「スピードを上げると振動が生じる」(入江則裕社長)という技術的課題を解決。独自機構により開閉速度を従来の倍速となる0・5秒に速めた。従来の2倍となる200万回までの品質保証も設けた。

京浜ラムテック(横浜市都筑区)は透明導電膜やフレキシブル基板などをスパッタリングする際に用いるコンポーネントを展示。「RAM低ダメージカソード」はフィルムにダメージを与えない。フィルム製造時に発生した熱を吸収する温調ローラーは「適度な温度を保持するため熱伝導率が高い銅を採用した」(岩田寛新規事業開発室長)。円筒状の形状で中に冷却水が通る水路を設けている。

会期は9日まで。同時開催の「難加工技術展2016」「表面改質展2016」と合わせて来場者2万人を見込む。

(2016/9/8 05:00)

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