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[ エレクトロニクス ]
(2016/9/13 05:00)
日立製作所は基礎研究センタ(埼玉県鳩山町)にあるホログラフィー電子顕微鏡など、世界有数の計測装置や研究設備について、2016年度中に外部開放を始める。文部科学省は16年度から産学官が研究設備を共用できる基盤形成を支援している。日立はこの動きに沿うとともに、自社開発する先端計測装置の新たな価値の掘り起こしにつなげる。
日立は世界最高性能の装置を含むホログラフィー電子顕微鏡を開発し、自社の研究に活用している。同顕微鏡は原子レベルの分解能で電磁場を計測でき、磁石や電池、超電導体など高機能材料の開発に役立つ。
こうした計測装置を大学や研究機関向けに研究開発の共用基盤としてオープン化する。国家プロジェクトで協働する理化学研究所には既に開放しており、今後、3台の同顕微鏡を共用設備とする見通し。利用料は有償、無償を含めて検討する。
同顕微鏡の操作法に関する講習会も開催する。研究者の討論会も設けて若手研究者を育成し、同顕微鏡の普及と高度化に役立てる。
このほかに再生医療向け自動培養装置や、組み合わせ最適化問題を解く新型コンピューター、人の意思決定を支援する人工知能(AI)などのオープン化も検討。東京大学や京都大学、北海道大学の共同ラボに小型装置を置くことも想定する。
文科省は「先端研究基盤共用促進事業」を開始。日立を含むチームもフィージビリティスタディー(実現可能性調査)として採択されている。
(2016/9/13 05:00)