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[ 科学技術・大学 ]
(2016/9/16 05:00)
京都大学大学院情報学研究科の梅野健教授は、IoT(モノのインターネット)などで必要となる大容量データを高速に暗号化できる技術を開発した。高い安全性や高速な計算実行速度、軽量なアルゴリズムが特徴。4K・8K画像や映像など大容量データの暗号化のほか、ウエアラブル端末など電力制限があるデバイス内での暗号化に適し、情報セキュリティー向上に役立つ。企業との共同研究や技術提供などで、実用化を目指す。
IoTの普及でさまざまな情報がインターネットでつながるようになり、従来は重要視されなかった分野でも情報セキュリティーが必要になる。暗号化技術は情報通信などで幅広く使われているが、安全性を高めようとすると計算量が膨大になり、処理時間が長くなる課題があった。
梅野教授は「一筆書き多項式」という計算手法から生成される最長周期を持つ複数系列を組み合わせて、乱数を生成する技術を開発した。
開発したストリーム暗号アルゴリズムは、普及している従来品に比べて10分の1以下となる64バイトと軽量で、実行速度は約13倍。1バイトの暗号化に必要なクロック数は2・19サイクルで、世界最速レベルだという。乱数性も高く、高い安全性と高速・軽量化を実現した。
4Kや8Kの画像データを即時に暗号化できる。医療画像はセキュリティーが重要だが、データ量が大きい。暗号化できれば遠隔医療でデータ送信ができる。
ハッキングするような悪意あるAI(人工知能)が出た場合、高速で暗号化処理できるためAIが暗号を解く処理が追いつかず、悪用を防げる。
通信、放送、ロボット、自動運転など幅広い分野の企業との共同研究が想定される。
(2016/9/16 05:00)
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