[ オピニオン ]
(2016/9/19 05:00)
何かを継続するのは才能の一つだ。加えて環境が追い風になると、継続できる可能性が高まる。語学の習得は、そうした中でも典型的なものだろう。
ここ数年で、訪日する外国人観光客が劇的に増えた。鉄道の駅員の対応ひとつとっても、随分と慣れたようにみえる。切符の買い方や乗り換え案内などに、慌てる様子もなく自然に受け答えしている。
誰かに指示されなくとも、英語を使う機会があれば勉強は続けやすい。観光客向けとは思えない普通のうどん店で英語のメニューを見かけた。フラリと立ち寄った外国人客の注文に、年配の店員が慣れた感じで応じている。「習うより慣れろ」の実例を目の当たりにした思いがする。
経済環境にかかわらず、稼げる企業に体質を変革する。経営者ならだれしも考えることだろうが、苦しい努力を継続するのは難しい。ただ実際に変革を遂げた経営者に聞くと、意外に努力を大変だとは思っておらず、環境の変化を受け入れただけだと話すケースがある。
今年こそは―と意気込んで4月に購入した語学テキストも、終わりまで使い切るのは難しい。他力本願ではあるが、もっと外国人に直接、取材する機会が増えれば自分の英語力も高まるのではないか。
(2016/9/19 05:00)