[ オピニオン ]
(2016/9/16 05:00)
井の中の蛙(かわず)、大海を知らず―。世間知らずや見識の狭さを表すことわざだが、広い世界を知ったカエルは、たくましい跳躍力を身につけて帰ってくるようだ。学生を米国で短期研修させるプログラムが沖縄にある。その名は「琉球フロッグス」。
県内外の49社・団体が支援し、フロッグ=カエルたちに「大海」である米西海岸のシリコンバレーを体験させる。起業家精神と英語力を養い、社会の課題をITで解決できる若者を育てる狙いだ。今年で8期目。このほど今期研修生の帰国報告会が開かれた。
中学3年から大学4年までの女性5人、男性4人。現地で活躍している邦人に大いに刺激を受けたようで「英語はツールでしかないが、それがなければ思いも伝えられない」「悩むよりまずやる」と、進路の目標とともに熱く語った。
ただビジネスプラン構築は苦戦の様子。教育や農業、医療福祉の問題をアイデアとITで解こうとするが、知識や技術が追いつかない。アドバイザーから受けた指摘やヒントを一言も聞き漏らすまいとする姿勢が印象的だった。
プランに磨きをかけ、12月11日に大聴衆の前で発表予定。夢に向かって跳ぶ足腰の強さだけでなく、どんな跳び方を身につけていくのか楽しみだ。
(2016/9/16 05:00)