[ ICT ]
(2016/10/3 05:00)
産業技術総合研究所や富士通、三菱電機、DMG森精機など6社は、IoT(モノのインターネット)に対応した「スマート工場」の国際標準化の検討と実証試験を始める。工場で発生するデータのうち、企業間でデータを共有できる協調領域を定義。2017年春までにクラウド型システムと工作機械やロボット間で協調領域のデータの通信制御について試験する。国際標準化の提案などに生かす計画だ。
経済産業省から委託を受けた産総研と富士通に加えて、NECやオムロン、DMG森精機、三菱電機、安川電機が参加。ソフトウエアから通信、機械の各分野の企業によるオールジャパン体制を組んだ。
既存のスマート工場の事例を参考に、機器から発生するデータを競争領域と協調領域に区別する。例えば加工に関するデータは競争領域だが、機器の電圧や振動など故障の予兆判断に使えるデータは協調領域に当てはめられないか検討する。
これらのデータが、富士通が提供するIoT用基盤システムとリアルタイムで通信できるかを実証する。試験には産総研が保有する工作機械やロボットを使う。
また、どの位置にセンサーを取り付ければノウハウが流出せずに欲しいデータを集められるかを工作機械メーカーなどと共同で検証する計画。17年度からは対象を設計開発や保守などソフトウエアにも広げ、エンジニアリングチェーン全体で標準化を議論する。
活動で得た知見はドイツなどとも共有する。18年をめどに国際標準化機構(ISO)や国際電気標準会議(IEC)に標準化提案する考えだ。
経産省は別の事業として日立製作所などとスマート工場の実証試験に乗り出している。こういった事業で創出したユースケース(先進事例)を国際標準化に生かすため、他のテーマでも実証実験をしていく計画。
(2016/10/3 05:00)