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[ 科学技術・大学 ]
(2016/10/10 05:00)
東京工業大学の細野秀雄教授と原亨和教授、北野政明准教授、高エネルギー加速器研究機構の阿部仁准教授らは、従来の触媒に比べ反応効率が10倍以上の低温アンモニア合成触媒を開発した。一カ月間触媒が劣化しないことも確認した。アンモニアを地産地消する合成技術として展開する。カルシウムアミドの担体表面にルテニウムを付着させた触媒を開発した。ルテニウムの“縁”で窒素と水素が反応してアンモニアができる仕組みだ。
カルシウムアミドを担体とすると、アミドの窒素とルテニウムが強く結合し、ルテニウムが担体にへばりつく。直径1ナノ―3ナノメートル(ナノは10億分の1)の薄く平たい形で点在する。たくさんの“縁”が維持されるため、反応を進むとルテニウムが凝集して塊になる課題を克服した。
300度C、8気圧で、従来のルテニウム触媒の10倍の反応効率を確認。現行のハーバーボッシュ法は400―500度Cで100―300気圧の条件で生産する。低温低圧で反応すれば小型プラントで生産できる。
(2016/10/10 05:00)