[ 金融・商況 ]
(2016/10/11 05:00)
(ブルームバーグ)中国の資本流出は見た目よりも大きくなっている可能性がある。米ゴールドマン・サックス・グループは、ドルではなく人民元のまま国境を越えて出ていく資本が増えていると警告した。
中国の外貨準備高が安定化し、銀行による顧客向け 外貨買い越し額も1年ぶり低水準近くまで減少しているが、8月の公式統計では元決済を通じ277億ドル(約2兆8800億円)が中国から流出した。この流出額は、2014年末までの5年間の月平均では44億ドル。ゴールドマンの中国担当シニアエコノミスト、 鄧敏強氏(香港在勤)によれば、国境を越える資本がこれほどの規模になる理由をマーケット要因で説明することはできず、通貨流出を測る際にはこの点を考慮する必要がある。
ロイヤル・バンク・オブ・スコットランドの大中華圏担当チーフエコノミスト、 胡志鵬氏(シンガポール在勤)は「中国人民銀行(中央銀行)からは企業が本土でドルに換金する動きを制限する窓口指導が出ており、海外に人民元のまま資金を移す必要がある」と説明。「企業は元安期待があるため元保有の意欲は強くなく、オフショアの銀行に元を売っている。これがオフショア元相場の重しになっている」と分析した。
原題: Goldman Warns China’s Outflows May Be Worse Than They Look (1)(抜粋)
(2016/10/11 05:00)