[ オピニオン ]
(2016/10/26 05:00)
米大統領選の3回のテレビ討論も終わり、11月8日の投票日を待つだけとなった。それまでの間、テレビ討論の延長戦の形で非難・中傷合戦が続くとなるとうんざりする。
わが国の株式・為替市場では「トランプ・ショック」がまことしやかにささやかれている。対日強硬派の共和党のトランプ候補が勝った場合、急激な円高・株安に見舞われるというもの。数多くの暴言、失言にもかかわらず熱狂的なトランプ支持者がおり、民主党のクリントン候補の勝利が確実とは言い切れない。
世界の市場関係者の間では「クリントン氏ならドル高、トランプ氏だとドル安」との見方が支配的。クリントン大統領なら米国経済の先行き不透明感は後退し、利上げしやすい環境になってドル高になると見込む。
トランプ大統領となると過剰な財政政策や保護主義的な通商政策、排他的な移民政策が予想される。米国経済の先行き不透明感が高まり、ドル安になるシナリオが濃厚だ。
日本にとってはクリントン大統領歓迎ということになる。だが為替に大きな影響力を持つのは大統領よりむしろ財務長官。ドル安志向の強い財務長官なら円安も期待外れに終わる。たとえクリントン氏優勢だとしても予断は許されない。
(2016/10/26 05:00)