[ 機械 ]
(2016/11/3 05:00)
金型とIoT(モノのインターネット)の融合を目指す金型業者などの研究組織「かしこい金型研究会」は、金型の破損や生産工程の不具合をセンサーで検知する装置を開発した。直ちに故障箇所を修理できるなど生産管理の効率化に寄与する。さらに金型のメーカーとユーザーが生産や不具合の履歴を共有できるデータベース(DB)の開発などを目指す。メンテナンス効率の高い仕組みにして市場投入を図る考え。
今回の開発は、金型による穴開け工程に荷重センサーを取り付けた。金型の破損による異常な荷重を計測した場合にプレス機が自動で停止する。これまで破損の検知が遅れ、不良品を一定量生産してしまう問題があった。
また、プレス前に成形品を固定する工程に位置センサーを設置。異物や成形品が2枚混入したことなどを検知して自動停止する。異物などの混入による金型の破損を抑制できる。
国内の金型業界は、新興国の追い上げによりコスト面で厳しい状況にある。同研究会の高橋百利会長(クライムエヌシーデー会長)は「金型メーカーと成形メーカーが連携してIoT化を図る必要がある」と金型の付加価値向上を強調する。来年は金型の使用データを蓄積・共有する仕組みの開発やIoT化によるコストの価格反映が課題になるという。
「かしこい金型研究会」はクライムエヌシーデー(相模原市南区)や日本ユニシス・エクセリューションズ(東京都江東区)などの金型関連業者や専門家らをメンバーに1月に発足した。金型の付加価値を高める技術を開発し、国内金型産業の競争力を強化することなどを目的にしている。
(2016/11/3 05:00)
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